空港駅の建設着々 スカルノハッタ 無人運転車両も
スカルノハッタ空港(バンテン州タンゲラン)で、空港とジャカルタ特別州内を結ぶ空港鉄道や、ターミナル間を移動する全自動無人運転車両システム(APMS)の建設が着々と進んでいる。いずれも2017年上半期の運行開始を目指す。
空港鉄道は南ジャカルタのマンガライ駅〜スカルノハッタ空港間(33.8キロ)を約40〜50分で結ぶ。空港駅は第1、第2ターミナルの間に建設。既に屋根の骨組みや線路の一部が出来上がりつつある。
国営空港管理・第2アンカサプラによると、年内に空港駅を完成させ、17年上半期には鉄道の運行を開始する計画だ。路線の一部は既存の国鉄(KAI)の路線を使用する。
同社のアグス・ハリヤンディ事業・法務部長は、国鉄が進めている土地収用は一部が完了していないと明かしたが、鉄道全体の進捗状況については「予定通り」と説明した。
一方、同空港内にある三つのターミナル間を結ぶAPMSの建設も進められている。第2アンカサプラによると駅や路線などの建設は国営建設ウィジャヤ・カルヤ(ウィカ)が担い、全体の建設費は1兆ルピアに上るという。
同社オペレーション・エンジニアリングのジョコ・ムルジャトモジョ部長はこのほど、車両や関連システムなどの入札を終え、韓国の宇進産電による受注が決定したと明らかにした。契約金は5300億ルピアで、鉄道の通信システムなどを手がける国営レン・インダストリ社と共同で進める。宇進産電の車両は、インドネシア初の空港鉄道となった北スマトラ州メダンのクアラナム空港鉄道(2013年開通)に使われている。
APMSは1台2車両、計3台を運行し、4分間隔でターミナル間を移動。1時間で計6200人を運ぶ。17年5〜6月の運行開始を予定している。
同空港では8月10日、新第3ターミナルが開業した。現在は国営ガルーダ航空の国内線のみ就航しているが、年内に同社の国際線、続いて17年3月までに全ての国際線が就航する予定。18年には第3滑走路の建設も完成させるほか、今後は第1、第2ターミナルも改築する。
新ターミナルは現在も工事が続けられており、豪雨による浸水、停電のほか、天井の一部が崩落、電波の通信状況が悪いなど、度々不備が指摘されている。(毛利春香)