過去最高300人が傍聴 コーヒー裁判被告人質問 拍手に歓声、ヤジも

 毒入りコーヒーでワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)を殺害したとして、殺人罪に問われているジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(27)の被告人質問が28日、中央ジャカルタ地裁で開かれた。過去最多となる傍聴人約300人の熱気に法廷が包まれる中、検察官と弁護人のやり取りもヒートアップ。同被告を交えた3者間で「言い合い」になる場面もあり、裁判長が何度も割って入った。
 開廷前の午前9時、傍聴席を囲むようにテレビカメラ約30台がずらりと並んだ。傍聴人の座席は、4人がけの椅子に肩を狭めて5人で座っても足りない。立ち見で首を伸ばす人や床に座り込む人、写真やメモを取るメディア関係者らで法廷はあふれかえり、熱気がこもる。午後の審理再開時には、待ちわびた傍聴人が裁判長らを拍手で迎えた。
 そのような中、「主役」のジェシカ被告は時折笑顔を見せながら、ひょうひょうと質問に答え続けた。しかし、検察官が声を荒げて何度も同じ質問を繰り返すと、「私も人間です。全て正確には答えられない」と感情をあらわにしたり、弁護人の質問に涙ぐんだりする場面もあった。
 傍聴席からは、拍手や歓声、ヤジなどが度々飛び、裁判長が何度も公判を一時中断させた。また、検察官の執ような質問を弁護人が遮り、言い合いになった際には、仲裁に入った裁判長が「別の質問をするように」と検察官を諭した。
 検察側にとって被告人質問は、判決言い渡し前のラストチャンス。検察官は、事件現場の監視カメラ(CCTV)映像を用いながら、発生時の詳しい状況について質問を繰り返したが、ジェシカ被告は「覚えていません」を連発。有罪立証につながるような重要な証言を引き出すことはできなかった。
 被告人質問は、開始から約12時間が経過した午後10時現在も続いていおり、裁判官が質問している。(毛利春香、写真も)

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