ピエール・カルダン敗訴 最高裁判決 ブランド商標侵害裁判
ファッションブランド「ピエール・カルダン」(本部・パリ)がブランド名とロゴの商標権を侵害されたとして、インドネシア人実業家による同ブランド名などの商標登録取り消しを求めた裁判で、最高裁は11日、「知的財産法に基づき、最初に商標登録した者の権利が守られるべき」として、実業家の主張を認めた一審判決を支持する判決を言い渡した。これでピエール・カルダン側の敗訴が確定する。
実業家は東ジャカルタのカユプティに住むアレキサンダー・サトリョ・ウィドウォ氏。1977年7月、「ピエール・カルダン」のブランド名とロゴを法務人権省知財権総局に商標登録した。
これに対し、ピエール・カルダン側は99年、同局に登録申請したが認められず、2015年になって実業家による登録の取り消しを求める裁判を起こした。一審は敗訴した。
最高裁判決で、マハディ・ソロインダ・ナスティオン裁判長は「(法務人権省知財権総局に登録された)『ピエール・カルダン』は、アレキサンダー氏が経営する会社、製品のブランド名。ほかのブランドを模倣しているとは言えない」と結論付けた。
一方、担当判事3人のうち1人は「(ファッションブランドの)『ピエール・カルダン』は世界の多くの国で、原告により商標登録されている。最初に登録したというだけで、アレキサンダー氏の主張を認めることは不当だ」と反対意見を述べた。(平野慧)