第3ターミナル9日開業 スカルノハッタ空港 ガルーダは全国内線移動
国営空港管理第2アンカサプラは3日、バンテン州タンゲランにあるスカルノハッタ空港の新第3ターミナルについて、9日午前0時1分から操業を開始すると明らかにした。最終的に国内・国際線全てを新ターミナルに移行させる国営ガルーダ・インドネシア航空は、全国内線の運航を開始する。
第2アンカサプラのアグス・ハリヤンディ事業・法務部長によると、9日の操業開始は第1段階で、新ターミナル全体の4割を使用する。残りは国際線を就航する空港会社のためのスペースとなる。2017年3月には国内・国際線全ての航空会社が運航をスタートさせ、第1〜第3ターミナルを結ぶモノレールも17年3月に完成する予定だ。
新第3ターミナルから最初に出発するのは、午前1時20分発のパプア州ジャヤプラ行きのガルーダ航空654便で、続いて同40分に北マルク州テルナテへ同社の648便が飛び立つ。アグス氏は「第2アンカサプラはガルーダ航空と協力し、乗客の流れや空港の快適性などを確認しながら、今後の乗り入れを調整していく」と説明した。
ガルーダ航空は、現在使用している第2ターミナルから新第3ターミナルへの移行準備を進めており、3日時点で約180便、全体の7割が完了している。9日以降にガルーダ航空のチケットを予約した乗客には周知を進めているが、誤って第2ターミナルへ入ってしまった乗客にも対応できるよう、2〜3週間は新第3ターミナルへ輸送する車両を用意するほか、第2ターミナルにも案内を担当する職員を配置する。
■遅れた操業開始
同ターミナルはレバラン(断食月明け大祭)長期休暇前の6月20日に操業を開始する予定だったが、運輸省らの調査で離発着の指示を出す管制塔から駐機場全体が見渡せないことなど、国際民間航空機関(ICAO)が定める国際基準を満たしていないとして、操業開始が遅れていた。
航空交通管制公社エアナビ・インドネシアによると、第2アンカサプラは可動式の管制装置を設置するなど設備を改善したほか、標準業務手順(SOP)にあわせた人材育成も実施。交通量の多い空港や低視程の状態で運航を実施する空港で、走行距離感覚の確保など滑走路の安全を守る先進型地上走行誘導管制システム(A―SMGCS)も完備した。
これらを受け運輸省は2日、現在進行中の空港内管理や技術操作、サービスなどの最終確認・審査を終え、操業を許可した。
アジア地域で有数となる国際空港を目指して建設が始まった新第3ターミナルは、全エリアの広さが42万2804平方メートル、年間の収容能力は2500万人となる。今後は第1、第2ターミナルも改装する。
また第3滑走路の建設を1年半後までに終える予定で、現在1時間あたり72便が離発着しているが、86便まで増加させるという。さらにジャカルタとヨーロッパ諸国を直行便で結ぶため、より大型の航空機が乗り入れできるよう、滑走路の補正・強化も進めたい考え。(毛利春香)