中国人観光客が増加 政府目標1000万人 マナドからチャーター便

 中国人観光客が増加している。バリ島を訪れた中国人は1〜5月に38万人を超え、トップのオーストラリア人に迫る勢いを見せている。政府がバリ島以外の観光地の整備を進めるなか、中国から地理的に近い北スラウェシ州では今月、マナドと中国を結ぶチャーター便が次々に就航。ダイビングスポットとして有名なブナケン島を中国など東アジアの観光客にアピールしている。

 国連世界観光機関(UNWTO)によると、中国人の海外旅行者数は昨年1億2千万人。インドネシア政府は、外国人観光客の目標数2千万人のうち、半数にあたる1千万人を中国から誘致する目標を掲げている。
 ことし1〜5月にバリ島を訪れた外国人観光客184万3047人のうち、中国人が計38万985人に上り、トップのオーストラリア人41万1768人に続く2位となった。
 だが同時期にインドネシアを訪れた中国人観光客は57万3899人で、バリ島以外の目的地はジャカルタが13万4240人、リアウ諸島州バタム島が1万4607人。ジョクジャカルタは1124人で、中国から直接地方の観光地を訪れる観光客はまだ少ない。
 観光省はバリ島の一極集中から観光地の分散化を進めており、西パプア州ラジャ・アンパットや北スマトラ州トバ湖など、国内10の重点地域を整備する計画を進めている。

■年内に定期直行便
 中国人観光客の誘致に注力しているのは、ブナケン島を抱える北スラウェシ州だ。地理的にも中国から近く、州都マナドへの直行便の拡充を急ピッチで進めている。
 7月に入り、マナド〜中国を結ぶチャーター便が次々と就航した。格安航空大手ライオンエアは4日のマナド〜マカオ便を皮切りに、中国の深圳や上海などへチャーター便の運航を開始。ことし末にはマカオ、深圳、重慶、武漢、上海、長沙の計6都市とマナドを結ぶ定期直行便を毎日運航する計画だという。
 同社のルスディ・キラナ最高経営責任者(CEO)は、将来は年間10万〜15万人の中国人観光客の利用者を目指す。韓国、日本からの観光客誘致にもつなげようと、日本・韓国〜マナドの直行便を来年にも開始したい考えだ。ルスディ氏は「マナドを観光客の東部インドネシアの『ハブ』にしたい」と話した。
 シティリンクもマナド〜香港、成都を結ぶチャーター便を就航した。スリウィジャヤ航空はマナド〜広州を結ぶチャーター便を開始、年内に定期便を就航する予定という。
 昨年のマナドの外国人観光客数は計1万9758人だったが、チャーター便効果で7月20日時点ですでに6千人以上の観光客が訪れた。
 同州のオリィ・ドンドカンベイ知事によると、観光事業の人材育成のため、50人の若者を中国語研修として半年間、中国へ送った。「今後は韓国語、日本語ができる人材も増やしたい」とアジア各国からの観光客誘致に意欲を見せる。
 大手財閥リッポー・グループは観光に特化した開発計画を発表しており、マナドに宿泊施設やショッピングモールのほか、外国人が安心して使用できる病院などを建設する計画を進めている。(毛利春香)

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly