「バリスタに1億4000万ルピア」 弁護側「夫が依頼」、夫は否定 コーヒー毒殺事件

 「ミルナの夫が1億4千万ルピアをバリスタにわたしていた」。ワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)が死亡したコーヒー毒殺事件の第8回公判が開かれた中央ジャカルタ地裁で27日、オットー・ハシブアン弁護士が明らかにした。午後11時前まで続いた公判の終盤で、オットー氏が発言した。

 同事件では、中央ジャカルタのモール「グランドインドネシア」のカフェ「オリビエ」で1月6日、ミルナさんがアイス・ベトナムコーヒーを飲んだ直後に死亡。オットー弁護士は、ミルナさんの夫アリフ・スマルコさんが、オリビエでバリスタとして働くランガ・ドウィ・サプトラさんの口座に1億4千万ルピアを送金していたと発言した。
 ランガさんはミルナさんが飲んだアイス・ベトナムコーヒーを作ったバリスタで、この発言でミルナさん殺害と引き換えに金をもらったという疑惑が浮上した。
 オットー弁護士によると、事件後に警察官が同カフェを訪れ、「ランガという名前の人はいるか」と尋ねているほか、警察の捜査記録にも金を受け取ったという記載があったという。またランガさんが事件後に病院で受けた精神検査の診察結果に、「ミルナさんを殺すのと引き換えに、ミルナさんの夫から金を受け取った」と発言したと記載があったという。
 検察官から事実かどうか尋ねられたランガさんは、警察が訪ねてきたことは認めたが、金を受け取ったことは否定。「もしお金を受け取っていたら、私は仕事を辞めています」と語った。同じくアリフさんも検察側の質問に対し、「それは真実ではない。ランガさんに(事件前に)は会ったこともない」と否定した。ランガさんは名誉棄損で訴えると話している。
 28日には第9回公判が開かれ、証人として引き続きオリビエの店員が召喚された。店員のルスミアティさんは、ランガさんについて「ランガはとてもフレンドリーなバリスタ。色が黒くてかわいいからヒタム(黒)とよく呼んでいたの」と証言した。他の店員とも仲が良く、コーヒーの作り方などについてもよく学び、特に不審な点はなかったと説明した。
 一方、金の受け渡し問題についてはこの日、より詳しい調査が必要であるとして、言及されなかった。
 28日の公判後、ミルナさんの父エディ・ダルマワン・サリヒンさんは送金について、「事実ではない。すでに警察官が調査済みで、ランガさんの口座に送金した形跡はなかった」と否定。アリフさんも「警察に携帯などの電子端末機器や口座などもすべて調査されたが、問題はなかった。それはデマだ」と説明している。
 またアリフさんは「ジェシカ被告が何か毒のようなものを入れている瞬間をとらえた監視カメラの映像を、検察官は後に必ず公開する」と自信を持って語った。
 次回公判は8月3日の予定。(毛利春香、写真も)

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