偶数ナンバーに「注意」 ジャカルタ 奇数・偶数試験スタート
ジャカルタ特別州の新たな渋滞緩和策「奇数・偶数制度」の導入に向けた試験が27日朝、始まった。警察と州運輸局、州警備隊から約260人が動員され、偶数ナンバーの車両の運転手に制度を説明したチラシを配布したり、口頭で注意する姿が見られた。8月30日の正式導入までは、違反者の取り締まりはせず、周知活動が大々的に繰り広げられる。警視庁は5月に廃止された「3イン1」制度より取り締まりが容易との見解を示した。
奇数・偶数制度は自家用四輪車が対象。ナンバープレート末尾の数字で、朝夕の混雑時に対象の通りへ進入できる車両を規制する。偶数日は偶数ナンバーの車両が、奇数日は奇数ナンバーの車が、それぞれ通行可能となる。27日は奇数ナンバーの車両が通行できた。
南ジャカルタ・スナヤンロータリーから北上しようと、午前9時半ごろにセノパティ通りで信号待ちをしていたアンディさん(40)は、末尾が偶数のナンバーだったため、警察官のイエンドリさん(25)から制度について説明を受けた。アンディさんは「制度のことは知っていた。聞けば正式導入までは周知活動だけ。だから正式導入まではいつも通り」とスディルマン通りに車を走らせた。
手渡されるチラシには、制度の説明が地図や図と共に記載され、正式導入後の違反者への罰則についても書かれている。試験期間中でも車両登録証(STNK)やナンバープレートの偽造については、道交法違反で処罰される。
州運輸局職員のユリアニ・シェリファさん(21)は、シシンガマンガラジャ通りで赤信号で停車した運転手にチラシを手渡した。ユリアニさんは「試験期間は周知活動のみ。きょうは奇数日だから偶数ナンバーは本来なら捕まりますよと注意した」。クリスティアント同局南ジャカルタ支部局長は「初日にしては通りの流れは順調。テレビなどでの周知活動が功を奏した」と満足げだった。
■3イン1より摘発容易
警視庁は、警察官が通行規制対象の車両を摘発する際、奇数・偶数制度ではナンバーを確認するだけでよく、乗車人数を確認していた3イン1よりも摘発が容易との見解を示している。
警視庁のアウィ・スティヨノ報道官は「(3イン1は)車の窓を開けて確認する必要があった。今度は外側から見るだけで分かる」と話す。プレートを偽装して付け替える抜け道に対しては、「数字などの形で確認可能」と説明した。
試験導入は8月26日まで。政府公用車や消防車、救急車など緊急車両、黄と白、赤色プレートの車両は対象外。時間は祝日を除く月〜金曜の午前7時〜同10時と午後4時〜同8時。(中島昭浩、写真も)