180億ドルの経済協力へ イ韓首脳会談 計11の覚書を締結
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は16日、訪問先の韓国・ソウルで朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。両国は韓国企業による投資などを通じた180億ドル規模の経済協力で一致したほか、計11の覚書を結び、クリエーティブ産業や海事など、幅広い分野で協力を強化していくことを確認した。
ジョコウィ大統領の訪韓に同行しているフランキー・シバラニ投資調整庁(BKPM)長官の発表によると、韓国企業6社による総額158億ドルの投資が決まったほか、韓国企業4社との間で総額22億ドルの協力案件について覚書を締結した。
KOGAS(韓国ガス公社)との間ではガスインフラ分野での100億ドルの投資に加え、南スマトラ州タンジュン・アピアピとバンカ島間のガスパイプライン敷設で協力する。
ジョコウィ大統領は16日午前に開かれたビジネスフォーラムで、出席した韓国の企業関係者ら約450人に積極的な投資などを呼びかけた。投資環境の改善に向けて規制緩和に取り組んでいることを強調し、「経済を改革し、ビジネスや投資の規制を簡素化し、経済協力の領域を広げる」と話した。韓国はインドネシアにとって5番目の投資国で、韓国のインドネシアへの投資額は昨年12億ドル。
その後、ロッテグループと鉄鋼大手ポスコの幹部らと個別に会合した。ロッテケミカルは40億ドルほどの追加投資を行う方針のほか、レトノ・マルスディ外相によると、同グループは映画館や遊園地、クレジットカードなどの分野への投資を検討しているという。ポスコとの間では、鉄鋼の生産を1千万トンまで増やすことが決まった。
16日午後の朴大統領との会談では、2国間の貿易額が2014年の224億7千万ドルから昨年は167億ドルに落ち込んだことから、関税の規制緩和など、貿易拡大に向けた協力について議論された。
また、両国は経済特区、クリエーティブ産業、海事、スポーツ、泥炭地、空間データ基盤と土地管理、汚職撲滅の7分野でも協力に関する覚書を締結した。
クリエーティブ産業では、韓国のKポップが海外でも広く受け入れられていることから、大統領は「われわれの強みを生かし、伝統的な芸術や音楽のブランディング強化で、世界的に認められることができる」とし、文化を海外市場に広めるヒントを韓国から得たい考えを示した。
大統領の訪韓にはダルミン・ナスチオン経済調整相やトマス・レンボン商業相、レトノ外相、フランキーBKPM長官らが同行している。
大統領一行は18日まで韓国に滞在した後、ロシアに20日まで滞在し、プーチン大統領との会談や東南アジア諸国連合(ASEAN)ロシアサミットへ参加する予定。(木村綾)