消えたジョッキー 3イン1 規制解除試験を開始 初日は車両数微増
ジャカルタ特別州政府は5日、都心の渋滞対策「3イン1」制度の規制解除試験を開始した。初日は乗員合わせのジョッキーの姿は消えたが、渋滞は普段と変わらず。州は1週間の結果をみて正式に廃止するか検討する方針だ。
3イン1解除対象区域では、州運輸局と州警備隊、警視庁交通管理センターから計約400人が交通整理に出動した。規制対象だった午前7時〜同10時と午後4時半〜同7時の交通量について、職員たちは「渋滞はいつも通り」と口をそろえる。
午前9時過ぎ、国会議事堂からスマンギ交差点を通り南ジャカルタ・ブロックMに向かった大手タクシー・ブルーバードの運転手、ヘンドラさん(35)は「車両数が少し増えたぐらい」と話す。
ジョッキーを5年していたというブディさん(21)は規制解除で仕事がなくなった。1日3回乗ることもあり、中央ジャカルタ・スリピからブロックMまで同乗して1回2万ルピアを稼いでいたという。
首都圏専用バスのトランス・ジャカルタを運営する州営トランスポルタシ・ジャカルタは同日、無料バス20台の運行を始めた。中央ジャカルタ・スナヤン〜ハルモニ間を往復し、車からバスへの乗り換えを呼びかけている。
3イン1は渋滞緩和につながっていないとの調査結果を受け、5〜8日と週末を挟んだ11〜13日の7日間、試験的に停止する。試験の影響評価を2週間で取りまとめ今後の対策を決める方針だ。
アホック知事は渋滞が悪化した場合、偶数と奇数番号に分けたナンバープレートをもとにした車両乗り入れ規制など代替案も検討するとの方針を表明。来年には、交通量の多い通りにナンバープレート読み取りゲートを設置し、通行料金を徴収する電子課金システム(ERP)を導入する。(中島昭浩、写真も)