JKT48 仲川さん卒業 ファン投票のコンサートで発表 「インドネシア残留も」
アイドルグループJKT48の仲川遥香さん(24)は27日、南ジャカルタのバライサルビニで初開催されたコンサート「JKT48リクエストアワー・セットリストベスト30 2016」で、JKT48とAKB48グループを卒業することを発表した。前例のないアイドルの「海外留学」として2012年に初来イ。言語や習慣をゼロから学び、インドネシア人メンバーと活動を展開し、幅広い層のファンを獲得した。日本を紹介するテレビ番組やCMに多数出演するようになり、卒業後はインドネシアに残ることも考えているという。
仲川さんはイベント終盤にステージ上で「JKT48を卒業します。AKB48に戻るわけではなくAKB48グループを卒業します」と、ファンやメンバーに報告した。日本人メンバーとしてグループをけん引してきた仲川さんの突然の報告に、メンバーや会場に詰めかけたファンたちが涙を流す場面もあった。
仲川さんは2006年から12年までAKB48で活動し、同年11月にJKT48へ移籍した。12月にはともに移籍した高城亜樹さんと中央ジャカルタのfXモールにある専用劇場でJKT48のメンバーとして劇場デビュー。13年8月にリリースしたグループ3枚目のシングル「恋するフォーチュンクッキー」では、自身初のセンターに選ばれた。14年4月の第1回JKT48選抜総選挙では3位、翌年5月の第2回では2位に輝いた。
仲川さんは「初めてインドネシアを訪れた時は、言語や文化をはじめ何もかもが違うことから、ワクワクしていた半面、不安もありました。でも、JKTのメンバーやスタッフ、ファンの皆さんに支えられ、こうしてステージに立つことができました」と振り返る。
劇場やステージを離れ、テレビ番組やCMなどにも出演してきた。13年5月には、人気トーク番組「ヒタム・プティ」(トランス7)に出演し、当時まだ片言だったインドネシア語で軽妙な掛け合いを披露。同年11月には、日イ合作の特撮ヒーロー番組「ビマ・サトリア・ガルーダ」(RCTI)に日本人として初出演を果たした。
日本の流行を紹介するバラエティー番組「Nippon Keren Deh!(ニッポンいいじゃん!)」(NET.)ではレギュラー出演、最近では日本各地の魅力を紹介するRTVの番組「THE ICHIBAN(ザ・イチバン)」にも出演した。
また、清涼飲料水「ポカリスエット」やスナック菓子「ポッキー」など日系企業をはじめ、風邪薬「トラック・アンギン」など地場企業のCMにも採用され、現在までに計9社26本のCMにJKT48メンバーと出演してきた。
昨年6月からは、同年1月に結成されたばかりのチームTのキャプテンを務める。「年内まで活動を続け、チームTの成長を支えたい」と話し、「JKT48を前進させ、グループの夢であるブンカルノ競技場(中央ジャカルタ・スナヤン)でのコンサートを年内に実現させたい。卒業するまで一生懸命がんばります。これからも応援してください。インドネシアが大好きです」と報告した。
仲川さんと同じくメンバーたちの先頭に立って活躍するメロディー・ヌランダニ・ラクサニさん(23)は「遥香の決めたことを応援したい。グループの夢も叶えたい」と涙ながらに話した。
イベント終了後の記者会見で仲川さんは、今後の活動について「インドネシアに来てから、海外はこんなに楽しいということに気づきました。言語などいろんな国について学びたいです。いまはインドネシアにいたい。でもいつか他の国にも行ってみたい。AKB48グループから卒業して、自分で道を切り開いていきたいです」と笑顔で説明した。(山本康行、写真も)