過激派19人を逮捕 国家警察長官 サリナ前テロに関与 強制送還は217人に

 バドロディン・ハイティ国家警察長官は26日、先月14日に発生した中央ジャカルタ・サリナデパート前爆破テロ事件に関与したとして、これまでに計19人を反テロ法違反の疑いで逮捕したと発表した。同事件の捜査はほぼ終え、既存の過激派組織の構成員や元受刑者が中心となりテロを画策したことが判明。過激派掃討が各国で展開されるなか、海外で摘発され強制送還されたインドネシア人は217人に上っている。

 バドロディン長官は国家警察本部で会見し、逮捕した19人のうちサリナ前テロに直接関与したのは16人で、計画や実行に関わったり、計画を関知したりしていた疑いがあると説明。このうち2人は、過去に別のテロ事件に関与して服役したことがある元受刑者だったと明らかにした。
 今回のテロを画策した犯行グループには五つの過激派組織の構成員が参加しており、いずれも国内各地で活動していると指摘した。これまでに警察は、このうちの一つを率いるヘンドロ・ヘルナンド容疑者は、シリアから複数回に分け計10億ルピアの送金を受けていたとしているが、同事件の犯行声明を出したとされる過激派組織イスラミック・ステート(IS)との関係を裏付ける証言などについては明らかにしていない。
 警察はサリナ前テロ事件以降、各地で展開した過激派掃討作戦で計40人を反テロ法違反の疑いで逮捕。これには中部スラウェシ州ポソ山間部に潜伏する過激派の東インドネシア・ムジャヒディン(MIT)のほか、ホテル爆破テロなど過去の複数のテロや爆発物所持などの事件に関与した者が含まれる。
 過激思想の拡散防止に取り組む国家テロ対策委員会(BNPT)は、国内各地にある19校のプサントレン(イスラム寄宿学校)がテロを支持し、過激派の温床になっていると指摘。教育機関を名指ししたことに対してイスラム団体などから反発も出ている。
 世界各地でIS摘発が展開されるなか、インドネシア外務省は23日、IS戦闘員の活動に関与したとみなされ、各国から強制送還されたインドネシア人は217人に上ると発表。このうち200人はトルコが占め、韓国5人、シンガポール4人、マレーシア3人、サウジアラビア2人だった。
 韓国から送還された5人のうち3人や、日本からの2人、スーダンからの1人の計6人は関与していないことが判明し釈放されている。(配島克彦)

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