テロより怖い一般犯罪 コミュニケーション大切に 専門家が大使館でセミナー

 在インドネシア日本大使館は23日、海外安全対策セミナーを館内で開いた。日本から危機管理対策コンサルタント企業の牧野雄介さんが来イ、テロ事件や誘拐、脅迫事件を想定し、参加者約80人を前に対応策を紹介した。 

 牧野さんは、海外の安全について陥りがちな誤解として、「インドネシアは比較的安全な国」「誘拐・テロは交通事故より確率が低い」「緊急時の連絡はケースバイケースで行わざるを得ない」という点を指摘した。「警察への届け出がないこともあり、実態が捉えられない。事件発生後の姿勢が大事」と話した。
 先月のサリナ前の事件を踏まえ、国内の短期的なテロの脅威の見通しとして、今後は手製爆弾を使う似たような事件が発生する可能性があるとしている。邦人については、テロの脅威よりもスリなどの一般犯罪や、デモや暴動の影響を受ける確率が高いという。
 牧野さんはこれらの予防対策として、不用意な外出や移動はしない▽会社のロゴ入りシャツなど目立つ服装での行動を避ける▽家族や関係者の間で行動予定を共有しておく――ことなどが大切と話す。一見安心に思える自宅は、誘拐事件で被害者がよく拘束される場所だとし、犯行の多くは日常の圏内で起きていると説明した。
 グループ演習では、同時多発テロに家族が巻き込まれたと想定し、参加者がそれぞれグループに分かれ初動対応手順を考えた。
 普段からのコミュニケーションで把握できることも多い。誘拐犯人からメッセージがあった際には、家族や知人の間でしか質問できないような項目を考えておくと本人確認しやすい、などと牧野さんがアドバイスした。
 牧野さんは「一人でも多く危険に遭遇しないよう、学んで共有してほしい」と話している。(山本康行、写真も)

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