64業種で外資緩和 経済政策10弾 ネガティブリスト改正
政府は11日、経済政策パッケージ第10弾として、外資企業の出資比率を定めた投資ネガティブリストの改正を発表した。卸売・倉庫業(ディストリビューター)やスポーツ施設、レストラン業など少なくとも64業種で緩和する方針。2週間以内に詳細を公表する。
中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)で会見を開き、ダルミン・ナスチオン経済調整相、フランキー・シバラニ投資調整庁(BKPM)長官、アリフ・ヤフヤ観光相がそれぞれ緩和する分野を説明。規制を強化する分野に対する説明はなかった。
2014年時のネガティブリストで、外資比率99%から33%に規制を強化していた卸売・倉庫業は方針を転換し、現行の33%から67%に緩和する。冷蔵保管業に関しては100%の出資を認め、地方の農業や漁業の発展につなげたい意向だ。
電子商取引(EC)では、千億ルピア以上の投資に限り100%認めるほか、廃棄物処理業に関しても条件付きで100%認める方針。テニスやプールなどスポーツ施設への投資も現行の49%から100%まで出資を認める。
ほかに製薬業や旅行代理店、空港サービス業、通信業など緩和業種は多岐にわたっている。プラモノ・アヌン内閣官房長官は「外資と組むことで、中小企業を含め国内産業を発展させる」と中小企業の育成につなげたい考えを強調した。
ダルミン経済調整相は会見で、東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)を意識した改正と強調。「ロンボク島は観光地として有名だが、イタリアンレストランなど外食レストランは少ない」(アリフ観光相)と外資の参入に期待を示した。各項目の詳細については2週間以内に全項目を公表する。
BKPMは昨年からネガティブリストの改正作業に取り組んでいた。関連省庁や海外の商工会議所などから意見書を募り、リストに反映させた。ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)もBKPMにネガティブリストの改正に関する意見書を提出。卸売・倉庫業は要望通り緩和されることになった。
日系企業はネガティブリストの緩和について歓迎する一方で、「ネガティブリストと省庁間の政令に矛盾が生じるときがある」(企業幹部)とし、今後リストの整合性を保つため、省庁間の連携にも期待を込めている。(佐藤拓也、アリョ・テジョ)