今夜はお刺し身! 「さかなや」が配送サービス
ジャカルタで自宅の食卓に「お刺し身」を届けてくれたら……。そんな願いをかなえてくれるのは、東ジャワ州スラバヤ市内に店を構える鮮魚店「さかなや」。23日から南ジャカルタ区で配送サービスを開始した。刺し身で味わえるほど新鮮で安全、おいしい魚やイカ、エビなどを家庭に届けてくれる。
「さかなや」のオーナーは水産コンサルタントの和田圭さん(30)。同店はスラバヤで2014年12月にオープンして以来、同地で日本人の主婦を中心に口コミなどで広がり、多くの人が利用している。ベビーフードに同店の商品を使う人もいるという。「お刺し身は調理に手間もかからず、重宝してくださる主婦の方も多い。家庭での料理に1品、お刺し身を加えてもらい、安全でおいしい魚を気軽に食べてほしい」
小学生6年間をジャカルタ日本人学校(JJS)で過ごした和田さん。「ジャカルタではとにかく魚がおいしくなく、日本に帰国して魚を食べた時、あまりのおいしさに感動し、魚が大好きになった。今ジャカルタにいる子どもたちには、おいしい魚を食べて日本に帰ってほしい」と話す。帰国後は魚好きが興じて釣りやダイビングはもちろん、水産業の商社に入社。和田さんの魚へのこだわりは人一倍強い。
「さかなや」の魚はスラバヤから西に車で6〜7時間ほどの場所に位置するジャワ海で捕ったものがほとんど。地元の漁師たちが早朝4〜6時ごろに漁に出かけ捕った魚やイカ、エビなどは、海の目の前にある工場に直接運ばれる。同工場は「HACCP(ハサップ)」(危険度分析に基づく重点衛生管理)承認を取得しており、日本の方法で新鮮な魚をすぐにしめ、マイナス40度で冷凍。フィレ(切り身)の加工なども行う。
商品は解凍後に刺身で食べられるヤリイカ(100グラム1万6千ルピア)や天然エビ(同3万5千ルピア)、骨のないハタやサワラ、イトヨリダイのフィレ(同1万6千〜2万3千ルピア)、魚の開きや一夜干しなどもそろう。
目玉商品はスラウェシから仕入れる「生マグロ」(100グラム3万ルピア)。マグロは大きいほど脂がのっておいしいため、1匹70キロ以上の大型マグロを仕入れている。「ヤリイカの一夜干し(同2万3千ルピア)」もおすすめだという。
現在はジャカルタやその周辺の日本料理店などにも魚を配送している。個人客からの注文は南ジャカルタ区のみだが、今後は中央ジャカルタ区や西ジャワ州ブカシ方面など、日本人が多く住む場所へ配送範囲を拡大したいという。和田さんは「一番の動機は『おいしい魚を食べたい』という自分の気持ちです」と笑顔を見せた。
注文方法は同店(メールorder@sakanayajakarta.com)に問い合わせ、返信されるオーダーフォームに記入して再度送信する。詳細はウェブサイト(www.sakanayajakarta.com)まで。(毛利春香、写真も)