伝統の舞、観衆息をのむ 岩手の早池峰神楽を上演 ジョクジャのJJW

 国の重要無形民俗文化財やユネスコ無形文化遺産に登録されている「早池峰神楽(はやちねかぐら)」が3、4日の両日、ジョクジャカルタ特別州で開催されているジョクジャ・ジャパン・ウィーク(JJW)で披露された。地元の来場者らは、初めてみる日本の伝統芸能に自然と静まり返り、一挙手一投足に目を奪われていた。

 早池峰神楽は、岩手県花巻市大迫町にある早池峰神社に奉納される神楽。早池峰山で修行をしていた山伏が行っていた祈祷の舞が基になったと考えられており、約500年の歴史を持つ、日本を代表する伝統芸能だ。大迫町の人々が代々世襲で神楽を担い、伝統を紡いでいる。
 公演が始まると、お囃子(はやし)の太鼓の音と笛の音色が響き、神社の名前が書かれた幕がはためいた。兜(かぶと)とお面を付けた男が姿を現し、お囃子に合わせて演舞。テンポが上ると、男の神に捧げる踊りが激しさを増していき、インドネシアの観衆は息をのんだ。
 ヨーロッパを中心に海外公演もしているが、インドネシア公演は初めて。今回は岳神楽保存会の11人が来イした。JJWに先立ち、バリ島でも公演。バロンダンスとの競演も果たした。獅子を使った演舞があるなど共通点が多く、保存会の小国朋身会長は「観衆の反応がまるで地元のように、細部で盛り上がるなどして驚いた」と感想を話す。
 JJWでは、初日の3日と4日に登場し、日本書紀に即した踊り「天降りの舞」や演舞でもっとも激しい演目の「諷証(ふうしょう)の舞」、獅子が人の頭を噛む「権現舞(ごんげんまい)」などを披露した。来場者からは「不思議な踊りに魅入られた」「獅子に頭を噛まれると不幸がなくなるという日本の文化に興味を持った」などの声が聞かれた。
 小国会長は「日本の本物の伝統芸能がどういうものか少しでも伝わったら嬉しい」と話し、「欧米に比べアジアの人々とは、通じるものが多い。招待されればまた来たい」と語った。(藤本迅、写真も)

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