新たに47カ国・地域 10月から 観光ビザ免除へ 対象は計92カ国・地域に
政府は1日、10月から47カ国・地域の観光ビザを免除すると発表した。6月に開始された日本など30カ国に続くもので、計92が観光目的に限りビザなしで最大30日間の滞在が可能になった。2019年までに外国人観光客を2千万人まで増やす目標に向け、観光客増加による外貨獲得、観光産業の雇用創出を目指す。
観光ビザ免除の対象になるのはオーストラリア(2014年観光客数100万人)、台湾(同20万人)、インド(同30万人)、サウジアラビア、東ティモール、アイルランド、ブラジル、ポルトガル、トルコ、エジプト、バチカンなど。当初は16年1月の免除開始を予定していたが前倒しした。
6月には日本や米国、中国、韓国を含む30カ国の観光ビザを免除した。到着ビザ(VOA)は今まで通り存続し、31日以上の観光目的の入国や、就労を伴わないビジネス目的などの入国はVOAとなる。
免除開始の10月から1年間で観光客数20%増、外貨獲得12億ドル増を目指す。アリフ・ラヤ観光相は、外国人観光客の3割を占めるオーストラリア、インド、台湾からの誘致を優先するとの方針を示した。
観光ビザ免除による効果への期待は大きい。政府は今後5年間で約2倍の280兆ルピアの外貨を獲得できると予想する。観光業従事者数は現在の300万人から700万人に増加すると試算した。
政府は19年までに観光客数を2千万人へ引き上げるため、観光ビザ免除を軸に据える方針だが、効果を疑問視する声もある。インドネシア旅行代理店協会(ASITA)のアスナウィ・バハル会長は「ビザ免除は観光客増加に直接結び付かない。まず国内の観光インフラ整備を重視すべきだ」と指摘する。
現在、観光ビザ免除は国内の5大国際空港(ジャカルタ、バリ、メダン、バタム島の2空港)に限定されているため、アスナウィ会長は「他の空港にも拡大する必要がある」と訴えた。(小塩航大)