うどん戦争 讃岐から「たも屋」
日本やシンガポールで展開する本格派讃岐うどん店「たも屋」が28日から北ジャカルタ「エンポリウム・プルイット・モール」Gフロアでソフトオープンする。「丸亀製麺」が全国展開を加速しているほか、福岡県の「筑後うどん」も店舗網を増やすなど、ここ数年でインドネシアにうどんが浸透し始めた。
たも屋は1996年、うどん屋台からスタート。塩と小麦、水だけを使ったコシのある麺が特徴。本店のある高松市を中心に、東京や四国など日本国内12店舗、シンガポールに3店舗構える。
同社はインドネシアの好みに合わせるのではなく、本場讃岐うどんの味をそのまま提供することにこだわる。足で踏んでこねたり、常時冷たい水を使う手法を取り入れる。機材も日本から輸入した。スーパーバイザーの岡田修一さんは「小麦粉はインドネシア産を使っているため、水加減や温度調節が難しかった。ぜひ本場の讃岐うどんを味わってほしい」と話した。
販売価格は3万5千ルピア〜6万ルピアでうどんのメニューは7種類、てんぷらは12種類そろえる。中でもシンプルなかけうどんや、ぶっかけの讃岐うどんがおすすめという。ご当地うどんとして、テリヤキチキンやスパイシーチキンをのせたメニューも提供する。
フランチャイズ契約を結び、たも屋の進出を支援した「ジャパン・フード・カルチャー」の石塚敦ゼネラルマネジャーは「うどんを食べ歩き、いちばんおいしいと思ったのはたも屋」とインドネシア進出に期待を込める。
9月22日にはグランドオープンし、同社の黒川保社長が来イし、実際に麺を打つ。
■迎え撃つ丸亀製麺
国内うどん事情は2013年3月に大手うどんチェーンの丸亀製麺が1号店をオープン。今年7月末時点で20店舗まで店舗網を拡大。ジャワ島内だけでなく、スマトラ島やスラウェシ島など地方にも出店を進めている。丸亀製麺を経営するトリドール(本社・神戸市)広報によると「海外展開している国の中でも、インドネシアは好調」で繁盛店が多いという。
「味や麺は、現地の人にも好まれるよう研究している」(同社広報)。当面は17年末までに40店舗が目標だ。
福岡県久留米市の「筑後うどん振興会」が支援する筑後うどんは14年10月にサリナデパートに1号店をオープン。イオンモールBSDシティに2号店を構え、3号店も候補地を検討中だ。筑後うどん振興会の職人が技術指導に来イし、うどん職人を育てている。(毛利春香、佐藤拓也)