【スナンスナン】自分で作る喜び チョコレート学校を訪ねて
チョコレートが嫌いな人はあまり聞いたことがない。とはいえ、食べるだけでなく、作り方も知っている人はそれほど多くはないだろう。作り方をわかりやすく教えてくれると評判のチョコレート学校を訪ねた。
南ジャカルタのショッピングビル内にある「教室」は全てガラス張り。先生と生徒たちのやりとりや調理シーンも外から見えるので、通りがかりの買い物客も「授業参観」できる。
生徒の大半はインドネシア人だが、フィリピン、インド、中国、スリランカ、シンガポールといった外国人も多い。プロを目指すシェフやパン職人から趣味で作りたい人まで、チョコレート作りの講義に耳を傾ける。
「チョコレート学校」はインドネシアの業務用チョコレート大手のチューリップが運営している。校長を務めるメルビン・ペレイラさんは、創立の目的として「チョコレートをきちんと扱える人を育てること」を挙げ、授業は初心者向けと経験のあるプロ向けのコースに分けられていると説明する。また、チョコレート人気が高まるインドネシアで、インドネシア人のチョコ職人を育てたい思いがある。
「インドネシアは(チョコレートの原料となる)カカオの生産量がコートジボワール、ガーナに次ぐ世界3位なのに、チョコレートの国とは思われていなくて、ベルギーやスイスなどから輸入したチョコレートばかりが店頭に並んでいる」とメルビンさんは不満げだ。
インドネシアで作られるチョコ製品の大半はココアバターの代わりに植物性脂肪を使っているため、実は本当のチョコレートとは言えない。「うちの授業ではココアバターの本物のチョコレートを使っている。これは体温で溶ける。これでないと口の中でまろやかに溶けるチョコレートを作ることはできない」と言う。
2010年の創立当初から、チョコレート作り用の道具はすべてプロ仕様で、インストラクターと助手が個人指導を行う。最大12人までのクラスは、2時間の即成コースから1〜2日かけるプロ向けコースに分かれる。
グループの要望に応じて特別コースを作ることもある。米国大使館やオーストラリア大使館のグループも参加したことがある。
最も人気があるのは即成コースで、チョコレート・ハニー・マカロン、キャラメルのチョコレートぐるみ、ホワイト・チョコレート・パフェ・アイスクリームなどを作る。完成後は、全部お持ち帰りできる。
授業料は即成コースで1人50万ルピアから。えっ? 高い? 安い? どっち?(アリ・レイモンド、写真も)
◇Chocolate School by Tulip
住所 Bellezza Shopping Arcade 3rd Floor, Jl. Arteri
Soepeno No. 34, Permata Hijau Jakarta
☎ 021.7050.2668
ウェブ www.chocolateschool.org/