比に大敗、選手権逃す 東アジア杯決勝 打線沈黙し3失策
野球東アジアカップは最終日の8日、中央ジャカルタのスナヤン球場で決勝戦が行われ、インドネシアはフィリピンに0―10で8回コールド負けし、アジア選手権出場を逃した。
一回裏、先発ウグラセナ投手の四球から、サードのスティアワン選手の送球ミスなどで1失点。二回にも2失点した。六回に投手を交代したが4失点、八回にはとどめとなる3点を失って、コールド負けした。
フィリピンの9安打に対しインドネシアは2安打と打線は沈黙し、守備でも3失策、良いところを見せることができなかった。
ドニー主将は試合後、「しっかり練習すれば、勝てた相手だった」と悔しさをにじませた。
■「ぼろぼろの状態」力尽き
エース級投手とクリーンアップ3人を含む5人が負傷しながら出場するなど「ぼろぼろの状態」(野中寿人監督)で臨んだ最終戦で力尽きた。
一回にエラーから失点、その裏に2番エリア選手が送りバントを失敗するなど調整しきれなかった部分が再び露呈し、試合の流れを決定づけた。
フィリピンは国内リーグなどで普段からプレーしている選手が多い一方、インドネシアは普段は働いていて練習ができていない選手ばかり。野中監督は「野球の神様はそんなに甘くない」と漏らしつつも、あくまで優勝にこだわったが届かなかった。
「選手たちがかわいそう」。野中監督は資金不足で代表チームが国際大会に出場できない状況を打開するため、1年間日系企業を回るなどして頭を下げ続けた。集まった会費は51企業・個人から4億5千万ルピア(約410万円)。ぎりぎりでこぎつけた合宿も1カ月弱と短すぎた。
野中監督は「2009年にアジアカップで初優勝したときより、実力はある」と若手の可能性を感じており、今後どう潜在能力を引き出すかが課題になる。
次の目標は17年の東アジアカップと18年に地元で開催されるアジア大会。会員企業は年内に200社を目標にしており、資金集めも終わっていない。
「ゆっくりする暇はありません」と次を見据えた。(堀之内健史、写真も)