ナタデココに薬品混入 悪臭で住民通報 ジョクジャの工場摘発
ジョクジャカルタ特別州スレマン県警は1日、ナタデココの製造過程で、農作物用の肥料を混ぜ、製品を流通させたとして、県内のナタデココ製造工場を摘発したと発表した。製品や原材料を押収し、工場を一時閉鎖した。
県警の調べによると、ナタデココを作るには本来、酢酸菌(ナタ菌)を用いるが、尿素や硫酸アンモニウムでも同様の効果が得られるという。この工場では尿素や硫酸アンモニウムが含まれる肥料を、主原料であるココナツ水と砂糖などに混ぜていたとみられている。
県警によると、31日に工場を摘発。ナタデココ5千箱や砂糖などを押収した。押収品はガジャマダ大学(UGM)の調査機関やインドネシア衛生研究所に送り、結果次第で工場を経営していた36歳の男性を食糧法違反などの容疑で逮捕する。
ナタデココはジャカルタ特別州やバンテン州タンゲラン、西ジャワ州ブカシ、同ボゴールなどの製菓会社などに出荷され、スーパーやミニマーケットなどで出回っていた。
工場は小学校の校舎として使われていた建物で、1カ月前に入居した。それまでも別の場所でナタデココを生産し、操業当初から肥料混入を続けていたとみられるという。従業員9人が働き、売り上げは1カ月800万〜1千万ルピアとされる。
同工場から化学薬品のような悪臭がすることなどから、地元住民の間から、工場経営に反対する声が上がっていた。住民の1人は、工場廃水を家の前にまかれ、バナナの木が枯れたことや、風が吹くと強烈な臭いがしていたと証言している。住民らは警察に通報し、今回の摘発に至った。
工場を経営する男性は「専門家が安全だとする結果を出すと確信している」と話しており、逮捕された場合は保釈金を払うと話している。