世界コマ大戦 イのチームが準優勝 日本で見せた技術力の高さ
コマの製造技術を競い合う「全日本製造業 世界コマ大戦」が15日、神奈川県横浜市中区にある大さん橋ホールで開催された。初の世界大会で、インドネシアから参戦した部品製造サントソ・テクニンド・インドネシアのチームが準優勝に輝いた。優勝を逃したが、相手を勢いよく弾き飛ばすインドネシアのコマが、日本勢を震撼させた。
インドネシア、タイ、ベトナム、韓国、ボリビア、アメリカの6カ国11チームと日本から18チーム、計29チームが参戦し、世界一を目指して戦った。
決勝戦でコマを回したティト・アディサソンコさんは3カ月間で20個以上コマを作ったという。「2位になれて本当に嬉しい。日本のコマは、自分では想像できない工夫が光るものばかりだった。新たに得たひらめきを生かし、今後に繋げたい」と喜びを語った。
コマ大戦は中小企業がものづくりの技術力をアピールできる場を設けようと、2011年から日本国内で始まった。コマの大きさは直径2センチ以下であれば、形や素材は自由で、直径25センチの台から外に出るか、先に止まった方が負け。トーナメント制で先に2連勝すれば勝ち進める。
サントソ社では動画共有サイトで過去のコマ大会の動画から日本のコマを研究。社員一丸となって試行錯誤を繰り返し、30種類以上のコマを試作した。超硬合金を使い、重さと回転力、回しやすさのバランスを追求。さらに、下部に着けた突起で相手のコマを弾き飛ばす力強さも兼ね備えたコマで勝負を挑んだ。
決勝戦では、有限会社カジミツと有限会社安久工機が協力した、中日本ブロック優勝チーム「審議隊トミー&マツ〜有限会社カジミツ〜」と対戦。同チームは筒型のコマに電池とモーターを内蔵し、台と接する部分だけが回るコマを用意。互いに一歩も引かない白熱した試合だったが、6戦目で「審議隊〜」が2連勝し、惜しくも1位を逃した。
■日本勢も驚く
有限会社カジミツの松宮政美社長は「コマを回す技術も高く、日本に勝つという執念が伝わってきた。どちらが勝ってもおかしくない試合で、日本の技術を超える素晴らしいコマだった」と高く評価した。
全日本製造業コマ大戦協会の海外部、村井秀敏リーダーは「海外のコマには負けないと思っていた日本チームも多かったが、インドネシアが勝ち上がるのを見て、驚いたり焦りを覚えたりしたはず。改めて学ぶことも多く、互いに良い刺激になった」と話した。
今後は東京五輪がある20年に合わせ、世界大会の開催を考えているという。(毛利春香)