ずさんな規制明るみに 主張に食い違い
エアアジア機の墜落をきっかけに、ずさんな規制行政の実態が明るみに出た。無許可飛行が恒常的だったとすれば、安全を脅かす事態だ。だが、なぜ多くの便が無許可で飛行できたのかははっきりしない。今回の墜落で問題になった点を整理した。
運輸省航空総局に派遣されている国際協力機構(JICA)の安田弘専門家によると、航空各社の発着枠は、運輸省が許可した週あたりの発着便数を基に、発着時間を調整するため、各社に第三者も交えた発着枠調整会議を年2回開いて決める。後の変更は届け出が認められれば可能だが、同省はエアアジアに日曜日の枠を与えていないと主張。一方のエアアジアは正当な手続きを経たとしており、食い違いがある。
さらに、航空会社は経路や高度などを盛り込んだ飛行計画をフライトごとに航空交通管制公社エアナビ・インドネシアに提出し、管制官が最終的に離陸許可を出す。国営空港管理の第1アンカサプラも、乗客を乗せる前の飛行機の移動などで管理責任がある。この2者のチェック機能も果たされていなかったことになる。
離陸前には航空会社の運航管理者(ディスパッチャー)が気象情報などについてパイロットに説明し、飛行計画を検討することになっている。この基になる気象データは、ディスパッチャーがBMKGの担当者から直接受け取る決まりになっているが、運輸省は実際にデータの授受があったのはエアアジア機が消息を絶った後だったとしている。
◇関連記事
5社61便が無許可飛行 氷山の一角の可能性も 主要5空港、運輸省調査 (2015年01月10日)