「アイカツ!」がイ上陸 アニメ放映、グッズ販売も 女子向け市場狙う
バンダイが販売するトレーディングカードアーケードゲーム「アイカツ!」がインドネシアに登場する。20日に民放テレビ局RCTIでアニメシリーズの放映を開始、年内にカードゲームができるゲーム機を稼働させ関連グッズも販売する。来年にはスマートフォン向けアプリも登場する予定。バンダイは既に関連商品が好調な特撮ヒーロー「ビマ」は男子向け、「アイカツ!」を女子向けと位置づけてインドネシア市場での人気を獲得していく。(山本康行、写真も)
「アイカツ!」は2012年10月、バンダイ・アイドルオーディション・カードゲーム「データカードダス・アイカツ!」として登場し、テレビ東京系列でアニメ放映も始まった。関連グッズも展開され4〜9歳女児から絶大な人気となった。弁当屋の娘で中学1年生の星宮いちごが主人公でアイドル養成校に入り、アイドルへの階段を上っていく物語。
カードゲームは、洋服などが描かれた50種類あるカードを購入し、それを組み合わせてゲーム機にスキャン。画面上のキャラクターに着せて「オーディションパート」というリズムゲームで点を獲得しながら、人気アイドルに育てるというもの。バンダイではゲーム機をゲームセンターの「タイムゾーン」やショッピングモールなどに設置し全国に拡大する予定だ。
バンダイカード事業部の原田真史デピュティゼネラルマネージャーによると、海外で「アイカツ!」のゲーム機の投入は台湾に次ぎ2カ所目。2013年度の日本国内の「アイカツ!」市場規模は全体で約300億円、うちバンダイグループ全体の売り上げとしては約160億円。
インドネシアでは増加する中間層を狙いアクセサリーやカードケースなど関連グッズ約10点も11月から、ファンブックも12月から販売する予定だ。
またテレビアニメ放映も開始する。RCTIで第1シリーズ計50話を今月20日から1年間放映。時間は小学生の休日の毎週土曜午前6時半からとした。RCTI親会社MNCのエグゼクティブディレクターのレイノ・バラック氏によると、日本の女児向けアニメは25年前に「キャンディキャンディ」、その後は「セーラームーン」が放映されたが、以降はなかった。「ビマ」は今月7日に第2シリーズが放送開始。「ビマに続いて、日本で人気の女子向けアニメを放映したかった」とレイノ氏は話す。平均視聴シェア14〜15%を目指すという。
イ語で対応、JKT起用も 進出に万全体制
バンダイは「アイカツ!」進出のためにさまざまな準備を整えてきた。カードゲーム機のインドネシア語化とアイドルグループJKT48とのコラボレーションだ。
市場で浸透させるためにカードゲーム機はインドネシア語に全て変えた。同社カード事業部の原田真史さんは「約1年前からインドネシアの子どもたちを集めて調査を続けてきた。その中で、インドネシア語に訳すとなじまなかった決め言葉は英語で訳した」という。
カードゲームでは購入者がJKT48とのコラボカードがもらえるキャンペーンを実施。メロディーさんは「ゲームは女の子がアイドルを目指すのがテーマ。アイドルになった感覚で楽しめる」と話した。JKTはテレビアニメの主題歌とエンディングソングを担当する。AKB48の元メンバー・板野友美さんが2013年に日本版同カードゲームのイメージキャラクターを務めたことから、同グループのJKT48に白羽の矢が立ったという。