インドネシア人の犯行か 富士山の巨石に落書き イ国内でも波紋

 静岡県は8日、昨年6月に世界文化遺産に登録された富士山(標高3776メートル)の同県側にある富士宮口登山道で、同日までに計4カ所でインドネシア語とみられる落書きが見つかったと明らかにした。同山で落書きされた巨石が発見されたのは初めて。

 落書きは7月末に県職員のパトロールで発見されて以来、相次いで確認された。いずれも赤いスプレーのようなもので書かれていた。
 標高2800メートル地点にはインドネシア語でロケットを意味する単語に酷似する「RUDAI」、同3500メートル地点には「INDONESIA」、同3600メートル地点には同語で生徒会を意味する「OOSIS」などが落書きされていた。犯人は分かっていない。県は水やシンナーなどを使い、8日に文字を消した。
 同県富士土木事務所維持管理課の岩崎泰克課長は「インドネシア人が落書きしたとは断定ができないが、マナーを守らない登山者がいることは残念だ」と話している。岩崎課長によると、今後の落書き防止対策としては、同登山道の5合目などで配られるガイドブックの改善などで防止を呼びかけたいとしている。
 同県富士山世界遺産課の小坂寿男課長によると、文化財への落書きは文化財保護法違反(毀損)にあたり、最大5年の懲役または禁錮、罰金30万円以下に科せられる可能性がある。落書きの被害届けについては、来週にも県が文化庁に提出するという。
 インドネシア国内でも波紋を広げている。ムルデカ・コムは8日、インドネシア人が巨石に落書きした可能性があることから、「インドネシアの恥だ」と報じた。
 インドネシアと書かれた巨石には「CLAX」の文字もあった。バンテン州セランの国立スルタン・アグン・ティルタヤサ大学教授で、同志社大学グローバル・スタディーズ研究科博士課程に在籍しているアブドゥル・ハミド氏によると、「CLAX」の「X」の文字は数字の10に置き換えられ「クラテン(中部ジャワ州の都市名)」とも読める。この言葉については「フェイスブックなどのソーシャルメデイアで文章を投稿する際によく使われる若者単語だ」と若者による犯行の可能性が高いことを示唆した。「もし本当にインドネシア人が犯人だとしたら、インドネシアや中部ジャワ州の人々が恥をかく」と危ぐしている。(山本康行)

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