「ISISは教義違反」 政府と足並みそろえる MUIが見解
イラクとシリアで勢力を伸ばすイスラム教スンニ派武装組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」について、イスラム学者会議(MUI)は7日、会合を開き、ISISをイスラムの教義に沿わない「ハラム」とする見解をまとめた。支援活動も同様に否定する。
MUIは国内イスラム社会の最高権威で、ムスリムに大きな影響力を持つ。多様性の中の統一をうたった国是に反するとして、先にISISに対する支援を禁止した中央政府と足並みをそろえた格好だ。
MUIのディン・シャムスディン最高顧問は中央ジャカルタ・メンテンでの会合後に記者会見した。「ISISは罪のない人を弾圧したり殺害したりする方法をとり、イスラムの教えに反する」と強調。「インドネシアのイスラム団体・組織はISISの存在を拒絶し、ムスリムの連帯と国内の不安定化を招く恐れがあるものとみなす」とも指摘した。
会合には、国内二大イスラム団体であるナフダトゥール・ウラマ(NU)とムハマディヤなどから代表が出席し、いずれもISISを否定することで一致した。MUIは、国内のムスリムに対し、ISISに扇動されないよう呼び掛けている。
一方、情報通信省は6日、ISISに関連する7サイトと、それをコピーした20のサイトを遮断したことを明らかにした。ただ、サイトの運営者などを情報通信省が処分することはないという。 (道下健弘)
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