小室哲哉さん来イ 新著にインスピレーション ハサン大臣と交流 20年来の友人
ミュージシャンの小室哲哉さん(55)がインドネシアを訪問している。現在新著の準備を進めており、20年以上にわたり交流のあるインドネシアからインスピレーションを得たいと各地を回る。
14日、中央ジャカルタの日本大使館に鹿取克章駐インドネシア大使を表敬訪問した。13日夜には南ジャカルタのホテルで、20年来の友人である協同組合・中小企業担当相のシャリフディン・ハサンさんと会食し、旧交を温めた。
小室さんは1990年代初頭、バリ島に魅了されて以来、別荘・スタジオを造り、グランドピアノなども入れ、バリ島を音楽活動の拠点の一つにしていた時期もある。ジャカルタにも2、3回訪れたことがあったが、近年の発展ぶりに「違う国に来たようだ」と驚く。
ハサンさんとは通訳を依頼して以来の付き合い。日本留学の経験があり、日本語が堪能なハサンさんとは日本や香港でも交流を深めてきた。今回、ハサンさんからインドネシアの人気ミュージシャン、アフマッド・ダニさんを紹介され、インドネシアの音楽事情などについて話を聞く予定という。
日本の音楽市場が縮小するなか、世界4位の人口を抱えるインドネシアや台湾など、アジアに活動の場所を広げたいと意気込む。「海賊版などは他国にもある問題。ダウンロード配信など市場を探りたい」 。
90年代初頭、インドネシアで大ヒットした「デンパサール・ムーン」が記憶に残っている。フィリピンの女性ポップス歌手マリベスがインドネシアの音楽の要素を取り入れた曲で、当時盛んだった複数の国のミュージシャンのコラボレーション作品だ。
「ケチャダンスは世界遺産の域に達している。だがポップスに取り入れることは難しい」とも話す。世界各国を訪れてきたが「バリは東京などより進んでいる部分がある。欧米の影響をストレートに受けているとの印象もある」と指摘。近年自身に降りかかったさまざまな苦難を乗り越え、「これまで以上にインドネシアと深く関わることで、より多くのことを知っていきたい」と話した。(配島克彦、写真も)