初の駅伝開催、760人快走 1位はデンソーインドネシア ブロックMで日イ友好
ブロックMを駅伝ランナーが駆け抜けた―。南ジャカルタ・ブロックMで25日午前、「ジャカルタ『絆』駅伝」(主催・毎日新聞社、コンパス紙、後援・じゃかるた新聞など)が初開催され、190チーム760人が出場、デンソーインドネシアが優勝した。同地域では24、25の両日「第5回リトル東京ブロックM縁日祭」も開かれ、来場者数は過去最高となる約21万人(延べ人数、主催者発表)。日イ市民が交流する2日間となった。
国内初の市民駅伝、ジャカルタ「絆」駅伝は25日午前7時15分、ブロックMのムラワイ通リを190チームがスタートした。コースはブロックM地域を周回する約12.5キロ(1、2、3番走者は1周2.5キロ、4番走者は2周5キロ)。色とりどりのたすきをかけた先頭ランナーが一斉に走り出した。レースは周回を重ねるごとに差がつき始めた。この日の気温は31度(午前10時)、短めの距離と言っても暑さは厳しく、沿道には給水ポイントも設置された。
レースはスタートからデンソーインドネシアが飛び出し、45分08秒のタイムで優勝した。2位はトヨタインドネシア2(同46分14秒)、3位は同じくトヨタインドネシア1(48分28秒)だった。全チームが完走、たすきは途切れなかった。最終チームのタイムは1時間20分だった。
■沿道に応援の人垣
普段の日曜日は車とオートバイで大混雑するブロックMもこの日は、コースとなる周回道路は片側1車線が車両通行止めとなった。沿道には参加チームの関係者が陣取り、応援に熱が入る。受川久美子さんは娘二人と、ブリヂストン1の1区を走る夫・康弘さん(36)の応援をした。「いつもは車でいっぱいの道がウソみたいです。現地の方と会社チームを一緒に応援できてうれしい」と話した。
たすきを受け渡すポイントでは応援に熱がこもる。「焦るな」、「30位だ、ガンバレ!」。インドネシア語の「スマンガット!」(頑張れの意)も響く。清水コーポレーションに声援を送っていたジュニタさん(30)とエミさん(26)。同社に勤務し、「駅伝は面白い。インドネシアと日本のフレンドシップになる」と笑う。
「普段飲みに行っているところをまさか走るとは思わなかった」(46歳・男性)のように、今回がランニング初体験という人もいた。物珍しいのか、タクシー運転手が車を停めてレースを見ている光景も。
沿道に立ちコース案内をしたのは国内の大学生約100人。ボランティアでサポートした。準備のため朝5時半に来たというインドネシア大学で日本語を学ぶスージーさん(21)。「握手するようで、たすきを渡すのがとてもおもしろい。来年も応援したい」と話した。
表彰式であいさつに立ったユスロン駐日本インドネシア大使は「駅伝は前向きに走る。日本とインドネシアの国民が一緒に前を向くよい場となるでしょう」と語った。(阿部敬一、関連記事10、11面)