【日イの笑顔と興奮ブロックMを包む】  縁日祭で名前を売り込め 日本企業PRの場として注目

 日イの友好と協調を促進するために始まった「リトル東京ブロックM縁日祭」。5年目を迎え、出展するブースにも変化が見えてきた。縁日祭の一つの顔ともなった、コスプレは本場日本からも注目されている。また県人会など有志による出展も盛んになってきた。出会いの場として活用される縁日祭の現場を報告する。
 25日に縁日祭の第2ステージで夜のメインイベントとして開催された、インドネシアコスプレグランプリ(ICGP)は国内コスプレーヤーにとって重要な大会だ。優勝すると8月に名古屋で開催される世界大会「世界コスプレサミット」行きが決まる。
 同世界大会に向け日本企業が観光誘致に動き出した。国土交通省中部運輸局と中部国際空港が合同で、今年初めて出展した。展示ブースにはインドネシア語の観光案内パンフレットが並ぶ。一際目を引いたのは「OTAKUTOUR」と記載された中部地方の観光パンフレットだ。アニメに登場する人気施設や武将隊などが所狭しと並ぶ。中部国際空港営業推進本部の上入來瞳氏は「名古屋城よりも心に響くものがある」とあえてサブカルに特化したチラシを作成した。
 審査員として来イした世界コスプレサミットの小栗徳丸実行委員長によると「開催当初は4カ国だった参加国は22カ国になり、他にフィリピンやベトナムなど31カ国が参加を希望している」とコスプレ熱は拡大の一途をたどっている。ICGPを運営する花田康氏は「インドネシア代表が12年に世界で第3位になってから劇的な変化があった」と話す。遊びの枠を超えなかったコスプレの興味が、世界大会へつながることで真剣に意識する人が増えたという。
 同氏は「コスプレをする子どもに対して両親の目が変わったのでは」と話す。12年の世界大会で3位に入賞したツゲさん(26)は現在、コスプレイベントのプロデューサーとして働いている。ICGP運営者の調べによると国内でコスプレをする人は5千人、ファンは5万人に上るという。ジャカルタ在住の26歳建築士のインドネシア人は「縁日祭には6時間かけてコスプレの準備してきた。普段も月に1回ジャカルタで開かれるコスプレイベントに行っている」と話した。
 JTBは今年から同世界大会の日程に合わせて観光ツアーを組む。コスプレに照準を合わせた観光ツアーは初めての試みだ。中部運輸局と中部国際空港は、世界大会をきっかけにインドネシア人を中部地方に引きつけたいと考えている。過熱しているコスプレ文化をビジネスにつなげる企業の取り組みが垣間見えた。(阿部敬一、新谷敏章、佐藤拓也、山本康行、写真も)

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