インドネシアもビザ免除へ 東南アから旅行者増狙う 日本政府
日本政府がインドネシア、フィリピン、ベトナム3国から日本入国の際の査証(ビザ)を免除する方向で調整していることが14日、分かった。6月に改訂する「観光立国実現に向けた行動計画」に盛り込む方針。2020年までの年間訪日外国人旅行者2千万人の目標に向け、東南アジアからの旅行者増を図る。
東南アジアからの旅行者は昨年、前年比48%増の約115万人に達した。タイが1位で旅行者数は45万3642人で、前年比74%増と大幅に増加。昨年7月にビザを免除した効果が現れた。同様に免除したマレーシアも17万6521人(同35.6%増)だった。
インドネシアの人口は世界第4位で2億4千万人を超え、タイの倍以上だが、訪日客は伸び悩んでいる。13年の訪日観光客は13万6800人、東南アジア4位にとどまっており、ビザを免除した場合の伸びしろが大きいとみられている。日本国内でもイスラム教徒のために、空港など公共施設に礼拝所を設置する動きや、ハラル(イスラム教義に沿った)食品を提供するレストランも増えはじめており、官民で徐々に受け入れ体制の整備が進んでいる。3月には日本政府観光局(JNTO)がジャカルタ事務所を開設して観光PR態勢強化し、インドネシアからの訪日客を東南アジア諸国連合(ASEAN)1位に引き上げる目標を立てている。
安倍政権は観光を成長戦略の柱に掲げ、経済成長で中間層が増加するインドネシアをはじめフィリピンやベトナムからの旅行者増を狙っている。免除の開始時期などは、今後関係省庁で話し合って決める。
日本政府は12年にインドネシアからの訪日客に数次ビザを発給し、13年には観光ビザによる滞在期間を、それまでの15日から30日に延長した。ベトナムとフィリピンでも13年に数次ビザを発給してきた。(高橋佳久)