電気料金値上げ 実業界が猛反発 「解雇や倒産不可避」
政府が計画している大規模産業向け電気料金の値上げに、産業界から猛反発が上がっている。値上げは5月1日から4回にわたり2カ月ごとに実施。値上げ幅は、敷設容量が200キロボルトアンペア(kva)超の「I3」が8.6%ずつで計38.9%、3万kvaを超える「I4」が13.3%ごとで計64.7%となる。
各業界団体からなる全国組織コミュニケーション・フォーラム(FORKAN)のフランキー・シバラニ会長は「企業の業績が大幅に下がり、解雇、倒産する企業が出てくる可能性がある」との懸念を表明。工業省に対し、値上げの撤回を政府内で協議するよう求めるとともに、政府が予定通り値上げを実施すると主張するならば最高裁に司法審査を要請すると主張した。
政府は昨年も電気料金を値上げしており、シバラニ会長によると、この影響で少なくとも企業2社が倒産したという。今年も値上げに踏み切った場合、より多くの企業が投資の延期や従業員の解雇などをせざるを得ないとの見解を示した。
地元紙によると、「I3」の契約者は371社、「I4」は製鉄やセメント会社など61社あるという。
インドネシア鉄鋼業者協会のマンドリー・イスマイル副会長は、鉄鋼生産に占める電力費の割合は20%に達すると説明。「産業を手助けする政策を求めたい。生産が維持できなくなれば、事業を清算するしかない」と話した。