ジョコウィ氏の動き焦点 総選挙まで2カ月切る 議席20%をめぐり攻防

 総選挙まで2カ月を切った。4月総選挙、7月大統領選挙を前に政界が騒がしくなってきた。ジョコウィ旋風のさなか、汚職疑惑で地盤沈下の与党がどこで踏みとどまるか。

■総選挙、少数政党に厳しく
 総選挙で国会、州県市議会の議席を争う。2014年総選挙は12党参加で1998年のスハルト政権崩壊以降3回の総選挙で最少だ。民主化後政党数が激増し、99年は当初参加申請した政党は148党、04年は237党。
 大政党は地方支部要件を大幅に厳格化し、09年総選挙から得票率2・5%未満の政党の国会議席獲得を阻む規定を導入した。それを今回は3・5%未満まで上げる。国政から脱落する小政党が多く出る可能性がある。
 この総選挙が大統領選のすう勢を決める。大統領選立候補には直近の総選挙で選ばれた国会議席20%の推薦が必要だから、開票速報で選挙情勢が判明するや、各政党は20%を越えるための合従連衡に奔走する。
 イスタナ(大統領宮殿)入りのためには犬猿の仲でも連携する。09年大統領選では98年のジャカルタ暴動で対立したウィラント元国軍司令官とプラボウォ元戦略予備軍司令官が報道陣の前で握手する「珍事」が起きた。

■ジョコウィ封じの動き
 世論調査で独走するジョコウィ・ジャカルタ特別州知事が、闘争民主党(PDIP)の大統領候補になるかどうかが鍵を握る。民間調査機関の12月調査によると、知事不出馬でPDIPの支持率は19%、出馬すれば同31%にはね上がり、知事が他党票を吸い上げるため、現行の9党国政から上位4党にまで絞られる情勢だ。知事を大統領候補にしたいとみられる世論調査、報道が多くなっているが、党の決定権を握るのはメガワティ党首だ。
 他党はジョコウィ知事の一人勝ちに危機感を強め、「ジョコウィ封じ」に動き始めている。1〜2月の首都洪水をめぐっては各党の政治家が知事の責任を追及。知事が「就任15カ月では洪水は解決できない」と応酬する場面もあった。

■新味求める有権者
 政党支持率も「ジョコウィ効果」だ。99年総選挙以降低迷するPDIPが復活。プラボウォ氏を担ぐグリンドラ党も支持率を伸ばすなど、有権者は「新味」を求めているようだ。昨年、与党3党が大型の汚職事件に直面し、民主党、福祉正義党(PKS)が支持率を急落させた。ゴルカル党のアトゥット・バンテン州知事の逮捕は12月下旬。今後の政党支持率調査で、ゴルカル党にどう影響するか。同党は総選挙後の全国会議でバクリー党首の出馬の可否を検討する余地を残した。09年ゴルカル党党首選でバクリー陣営と競ったカラ前副大統領は党外から正副大統領候補に担ぐ動きがあり、04年大統領選のように党を割るか注目が集まる。(吉田拓史)

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