1週間で数千億ルピアに 洪水の損害額 物流コスト増、モール客減少
首都圏の洪水で、事業活動にも影響が出始めている。経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長は19日、日刊紙コンパスに対し、1週間ほど続く洪水による首都圏の実業界の損害額は、数千億ルピアに上るとの見通しを明らかにした。物流コストの上昇や商店への客足の落ち込みによる機会損失が主なものという。
ジャカルタ商工会議所のサルマン・シマンヨラン副会頭によると、冠水で道路が不通となり、北ジャカルタのマンガドゥアやクラパガディン、中央ジャカルタのタナアバン、東ジャカルタのジャティヌガラなど、一部地域のショッピングモールや商店街への来客が減少している。
マンガドゥアには、WTC(世界貿易センター)やマンガドゥア・スクエア、ハルコ・マンガドゥアなど六つのモールがあり、約2万店が1日250万ルピアの売上減になったと想定し、1日だけで500億ルピア(約4億3千万円)の機会損失になると試算。クラパガディンでは、一部のモールが営業できなくなり、銀行の支店も業務を別の支店に移管しているところが出ており、1日で400億ルピア(約3億5千万円)の損失が出ていると予測した。
タナアバンでは、来客が6割減ったと見込まれ、1日2千億ルピアとも言われる一帯の商店の売上額の減少が懸念されている。北ジャカルタ・タンジュンプリオク港でも、貨物の搬出入に影響が出ており、損害額は1日90億ルピア(約7800万円)に上るという。
地元メディアによると、375社が入居する東ジャカルタ・プロガドゥン工業団地では20日、通常通りの操業だったという。
アピンドによると、昨年1月17〜20日に首都圏で起きた洪水では、工場の操業停止などで、企業の損失が4日間で少なくとも1兆ルピアに上った。