都心洪水の砦が‥ 堤防ぐにゃり傾斜 中央ジャカルタ、修復続く
雨期のピークを前に、大洪水を防ぐ都心の生命線ともいえる堤防の改修工事が続いている。
中央ジャカルタのチリウン川では27日午後、川側に最大30度も傾いてしまったコンクリート堤防を元に戻す工事が続いていた。現場は、オフィスビル街に近いスディルマン駅から線路・チリウン川沿いに東へ約300メートルの地点。
約30メートルにわたり、傾いたブロックが川側に大きく乗り出していた。作業では、ブロックに無数の鉄の棒を埋め込み、同時に河川敷側の土砂を掘り出しくぼみを作っていた。最後は棒を引いて元の角度に戻す。
並行して、さらに高い位置(川底から5メートル)での堤防敷設も進めている。予想を上回る洪水で今年1月に決壊したことを教訓とした措置だ。ジョコウィ知事も25日、現場を視察し工事の進ちょくを確かめた。
1月の大洪水ではここの決壊が、首都目抜き通りのスディルマン、タムリン両通りの冠水の主因になった。600メートル北西にあるオフィスビルUOBプラザでは、地下への浸水で2人が溺死した。
工事を請け負うジャヤ・コンストラクシによると、来年1月には完工する見通し。
(堀之内健史、写真も)