JKT48誕生 国越えた魅力アピール 第1期生28人 秋元康氏「笑顔を届けたい」
日本の人気アイドルグループ「AKB48」の海外初の公式姉妹グループ「JKT48」の最終選考が2日、中央ジャカルタのホテル・グランド・ハイアットで開かれ、応募者約1200人から厳選された第1期生28人が発表された。総合プロデューサーの秋元康氏は、日本のサブカルチャーへの関心が高まる世界有数の親日国であるインドネシアを訪れ、「国や言葉は違っても、普通の女の子の魅力は共通している」と語り、「日本に笑顔を届けたい」「(日本とインドネシアの)懸け橋にもなる」と激励した。(田村慎也、写真も)
2日午前に開始した最終オーディションでは、ダンス、歌唱、面接を実施。51人の候補生が、1日夕に来イした秋元氏をはじめAKB48運営会社などが立ち会う審査に臨んだ。
ダンスでは5人1組で、約1カ月にわたり練習してきたAKB48のヒット曲「ヘビーローテーション」を踊った。歌唱審査では「ヘビーローテーション」のほか、マライア・キャリーやYUIの曲を歌う候補生も。面接では「いつからAKB48を知っていたのか」「JKT48に入ったらファンの人たちに何を伝えたいか」などの質問が投げ掛けられた。
JKT48は、東京・秋葉原のAKB48、名古屋・栄のSKE48、大阪・難波のNMB48、福岡・博多のHKT48、お姉さんグループSDN48に続くプロジェクトで、海外グループとしては初。
日本のように「会いに行けるアイドル」として、インドネシアの国民的アイドルを目指し、日本で行われる総選挙にJKT48からメンバーが選抜されることを目標に掲げる。
第1期生の最年少メンバーとなったナビラ・ラトナ・アユ・アザリアさん(12、ニックネーム・ナビラ)は「選ばれて感動した。まず両親に報告したい」と興奮気味。
唯一日本人のメンバーとなった野澤玲奈さん(13)は「私は日本語を話すことができる。日本の人たちに、インドネシアの人たちがどんなに素晴らしいかを伝えていきたい」と抱負を話した。
■歌唱力を絶賛
記者会見には、日本やインドネシアの報道陣数10人が駆け付け、秋元氏のほか、インドネシア最大のテレビネットワーク「MNC」役員のレイノ・バラック氏、電通インドネシアのハリス・タエブCEO(最高経営責任者)が出席。
JKT48の印象について、秋元氏は「文化、言葉、習慣、国民性の違いなどいろいろ感じたが、必ず成功すると確信した。音楽を楽しむ雰囲気が日本と似ている」と述べ、「日本は震災の痛みが今もある。一生懸命に成長していくJKT48の笑顔を日本に届けたい」と話した。
日本との比較で「JKT48の候補者51人のうち、48、49人は歌が非常に上手い」と歌唱力を絶賛。日本では緊張してうまく話せない人も多いが、「一人一人が言葉を持っていて、きちんと話せる。なぜ入りたいのか、将来どうなりたいのか、しっかりアピールできる。その能力の高さに驚いた」と感想を語った。
海外初の姉妹グループの結成に各国が名乗りを挙げる中、ジャカルタを選んだのも「タイミングとこの熱さ。ジャカルタのチームが一番早く準備を進めるなど熱意があったから」と説明。今後の展開については、具体的には考えていないとしながらも「劇場を作り、小さいところから始め、ピンポイントで太陽光を集めて発火させられれば」と期待感を示した。