友好の絆を再確認 モナスでフィナーレ ジャカルタ日本祭り
第5回ジャカルタ日本祭り(JJM)が8日、中央ジャカルタの独立記念塔(モナス)広場でのクロージングイベントで幕を閉じた。1日の開幕から1週間、各所で文化や社会、スポーツの交流イベントを開催。フィナーレは両国の伝統芸能やアイドル歌手のショーなどに沸き、インドネシアの若者を中心とする来場者で身動きが取れなくなるほどの大盛況だった。日イ国交55周年、日ASEAN友好協力40周年の節目を迎えた今年、市民交流を通じて友好の絆を再確認した。
炎天下のモナス前広場に設置されたメーンステージの左右には、たこ焼きやお好み焼き、カレーなどの日本食ブースが並び、終日長蛇の列。テントや芝生で日本食を楽しむ光景があちこちでみられた。
ステージは大江戸助六流ジャカルタ太鼓クラブや高知よさこい百花繚乱、沖縄エイサー、阿波踊りなど日本の伝統芸能で力強くスタート。イベントの合間には「ソイヤ、ソイヤ」の掛け声とともに神輿や山車が会場を練り歩く。
日イ合作の特撮ヒーロー番組「ビマ・サトリア・ガルーダ」のヒーロー、ビマがステージに登場。ステージ向かいのブースでは、ビマのお面を買い求める家族連れもいた。ジャカルタ軽音部のステージでは、インドネシアの子どもたちが伝統楽器アンクルンを演奏。邦人ビッグバンドのギャラクシーは、インドネシア人女性歌手のソロも交えてジャズの定番曲を披露した。
日が暮れ、メーンステージが一段と明るく照らされる。そこへ東京・秋葉原を拠点に活動する新進の6人組女性アイドルグループ、でんぱ組・incが元気いっぱいに登場すると、アイドルコンサート会場に一変。ジャカルタの伝承歌に合わせて踊りも披露した。続けてJKT48が飛び出し、ヒット曲を熱唱。熱狂的なファンの大歓声に包まれた。
最後に登場したのは、インドネシアの女性歌手アグネス・モニカさん。エネルギッシュなダンスとともにヒット曲を次々と熱唱し、観衆を熱狂の渦に巻き込む。実力派のトップアイドルとして貫禄あるステージを披露した。
3組のアイドルショーを終え、最後は恒例の盆踊り。会場中央に吊り下げられた紅白の提灯が淡い光りを灯す。浴衣を着たインドネシア人女性やうちわを手にしたアイドルのファンらも踊りの輪に加わった。
コンサートの途中で、ジョコウィ・ジャカルタ特別州知事が到着したことが告げられると、来場者は大歓声で迎えた。来年の大統領選挙の有力候補として名前が取りざたされているジョコウィ氏の人気ぶりを見せつけた。
終幕のあいさつで、ジョコウィ氏は「ジャカルタ日本祭りを通じ、インドネシアと日本、ジャカルタと日本、ジャカルタと東京の友好が強固なものになってほしい。来年以降もずっと開催してほしい」と期待感を示した。
今年で5回目を迎え、毎年恒例の市民交流は定着した。在留邦人や日系企業に勤める従業員、日本語を学ぶ学生などのほか、初めて訪れたという若者も多い。ジョクジャカルタ出身の学生エサさん(21)は、ツイッターでJKT48が出演することを知り、駆け付けた。バンテン州南タンゲラン在住のアナンダ・ワウさん(22)は「昨年祭りに来た友人に誘われた。日本文化が盛りだくさんのイベント。身動きが取れないほど人が集まっていることに驚いた」と語った。(配島克彦、上松亮介、道下健弘、山本康行)
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