日本から音楽隊やってきた JJSで警視庁コンサート交流
体育館がコンサート会場に変わった。約1100人の子どもたちが音楽に合わせ手拍子をし、リズムに乗って身体を揺らす―。バンテン州南タンゲランのジャカルタ日本人学校(JJS)の小・中学部を3日、日本の警視庁音楽隊が体育館で約1時間の公演会を開き、児童・生徒と音楽で交流した。
警視庁音楽隊は、世界各国の警察音楽隊が音楽を通じ交流する「世界のお巡りさんコンサート・イン・インドネシア」(主管・毎日新聞社)のメーンコンサートを2日に終えた後、滞在最終日の3日午後、JJSを訪れた。
コンサート最初の曲はJJS校歌。子どもたちは菅打楽器の伴奏で元気はつらつと歌い、終了後には拍手が起きた。演奏したのは全9曲。「となりのトトロメドレー」や「名探偵コナンのテーマ」、「AKBメドレー」など、子どもに馴染みがある曲ばかりで、子どもたちが演奏に合わせて歌を口ずさむ姿もあった。
7曲目の「エル・クンバンチェロ」では通称「MEC」と呼ばれるカラーガード隊(旗衛隊)が登場し、子どもたちの目の前で華麗なフラッグ演技を披露。アンコールに応えて最後に「国民の象徴」を演奏した。退場の際には、ハイタッチを求める子どもたちが集まり「ありがとう」の声が会場に響いた。
小学部4年生の谷田部真結さん(10)はピアノを習っており、「トトロやコナンの曲は自分でも弾いてみたい」と笑顔を見せた。小学部6年生の蔭山慧太郎君(11)は「警視庁の人は何でもできるんだ」と感激した様子だった。
警視庁音楽隊は1948年の発足以来、各種行事を通じて都民と警察を結ぶ「音の懸け橋」として幅広い演奏活動を展開。各国で「世界のお巡りさんコンサート」に参加する機会に、日本人学校も訪問し、公演してきた。
警視庁音楽隊がインドネシアの日本人学校で演奏をしたのは初めて。同隊の藤崎凡隊長は、ジャカルタに住んでいる子どもたちは明るい子ばかりと話した上で「日本人の友だちは限られており、何か物足りなさがあると思う。音楽でその足りない部分を補い、応援できたらうれしい」と語った。同隊は同日夜の便で、帰国の途に就いた。(山本康行、写真も)