ブロックMで縁日祭 日本紹介と地区活性化願う 屋台や踊りに20万人超
日本料理店が集中する南ジャカルタ・ブロックMで25、26の両日、地区の活性化と日イ友好を深めることを目的とした「第4回リトル東京ブロックM縁日祭」(同祭実行委員会主催)が開かれた。かき氷や焼きそば、射的など日本の縁日につきものの屋台やさまざまなステージイベント、盆踊りなどが繰り広げられた会場には、延べ人数で過去最高の20万人以上(主催者発表)が来場。日本の夏の風物詩に触れる機会になるとともに、ポップカルチャーファンを楽しませる場になった。
同祭は地区内の日本人飲食店オーナーらが2010年から毎年開催。今回は「共に歩む (maju bersama)」をテーマに掲げた。好調なインドネシア経済を反映して日系企業の進出も増加し、地区の活気も増す中、「インドネシアと在留邦人の景気動向を示す街」として、日イ両国の人にさらに愛される街にしたいとの願いを込めた。
25日の開会式では、地元の子どもによるアンクルン演奏に続き、インドネシア側のニザルマン・アミヌディン実行委員長が開幕を宣言。あいさつした竹山健一参事官は「ブロックMをリトル東京としてますます発展させる機運が高まっており、日本や日本文化の紹介の地としても重要な地位を占るようになる。イベントはジャカルタの皆さんに日本文化を紹介する絶好の機会だ」と期待した。鹿取克章駐インドネシア大使も同日夕方に来場し、ステージで「みなさんに楽しんでほしい」と来場者に呼び掛けた。
今回は、昨年まで2カ所に分けていたステージを一つに統合し、会場の一体感を高めた。バンド演奏や沖縄のエイサー、高知よさこいなどの芸能からアニメソングのカラオケやコスプレの大会といったポップカルチャーまで、幅広い分野の催しがあり、来場者を楽しませた。
物品販売や地元飲食店による屋台も規模を拡大。昨年より20店増の150店が立ち並ぶ路上は大勢の人出でごったがえし、まっすぐ歩くのも難しい盛況ぶりだった。人垣を押しのけて進む御輿(みこし)や山車(だし)が迫力ある和太鼓の音を響かせ、日本の夏祭りの雰囲気を盛り上げた。
友人2人と散策したインドネシア大学学生のドゥイさん(22)は2回目以降、毎年同祭に足を運んでいるといい、「バンド演奏や出店などいろんな催しがあり一日中楽しめる。日本独自の『祭り』にインドネシア人が触れる貴重な機会になっている」と魅力を説明。首都圏だけでなく、西ジャワ州バンドンなど遠方からの来場者もあった。
子ども連れで来場した松井加奈子さん(40)は「こんなに人がいるとはびっくりした。コスプレして歩く人も多く、原宿に来たような感じがする」と話していた。
26日夜は、喜多郎の「祭り」に合わせて、竹谷大世実行委員長が太鼓をたたくと、御輿と山車がステージ前に集結。御輿連の雨笠俊夫会長が音頭を取る三本締めと東京ディズニーシーの盆踊り「ボンファイヤー」を会場全員で踊ってフィナーレを飾った。
竹谷実行委員長は「地区内の飲食店は通常の営業もある中、準備に時間が取れず大変だったが、これだけの人が楽しんでいるのをみれば、もう止めるとは言えない。来年もぜひ続けたい」と話した。(道下健弘、写真も)