密造酒元締めを逮捕 西ジャワ州警 自宅地下に製造場
西ジャワ州警は18日、密造酒を製造・販売したとして、刑法と食料法(2012年18号)違反の疑いで指名手配中のシャムスディン・シンボロン容疑者(50)を、逃走先の南スマトラ州ムシ・バニュアシン県で逮捕したと発表した。また、西ジャワ州バンドン県チチャレンカ郡にある同容疑者宅を捜索、地下から密造酒の製造場を発見した。国営アンタラ通信などが報じた。
調べでは、シャムスディン容疑者は、被害が拡大する密造酒販売の元締めとされる人物。自宅のプール横にあずまやを建て、その地下に造った製造場で密造酒を製造・販売した疑い。製造場からは600ミリリットル入りのボトル約5400本に詰められた密造酒約3200リットルが押収された。
地下製造場の大きさは、幅4メートル、奥行き18メートル、天井の高さ3・2メートル。入口は、あずまや(広さ2・5メートル四方)の一角に隠されていた。
シャムスディン容疑者は、密造酒製造・販売容疑で西ジャワ州警が指名手配した7人の1人。逃走先とされる南スマトラ州の地元警察と連携して行方を追っていた。
ジャカルタ特別州と周辺地域では3月末以降、密造酒被害が相次ぎ、18日までの死者数は94人に上っている。このうち、地下製造場の見つかったバンドン県の死者は42人で、全体の4割強を占めている。
アンタラ通信によると、国家警察は5月17日ごろのラマダン(断食月)入りを前に、密造酒撲滅を掲げて摘発を強化。18日には西ジャワ州カラワン県東・西カラワン両郡で違法に販売されていた酒類103本、バリ州バドゥン県で密造酒50本をそれぞれ押収した。(中島昭浩)