イで年平均256人死亡 過去20年間 気候変動による災害で
ドイツの非政府組織(NGO)ジャーマンウオッチがこのほど公表した報告書によると、1997〜2016年の過去20年間、気候変動による自然災害や異常気象で、インドネシアでは年平均256人が死亡、損害額は同19億2500万ドルに達した。調査対象183カ国・地域で、死者数は17位、損害額は15位といずれも上位だった。
同報告書「世界気候リスク・インデックス2018」では、人口10万人当たりの死者数や損害額の対国内総生産(GDP)比も算出。これらを基に人口、経済規模の異なる各国・地域における気候変動の影響度を「気候リスク・インデックス(CRI)」として指数化、比較した。
死者、損害額で上位となったインドネシアだが、10万人当たりの死者数は年平均0.11人で96位、損害額の対GDP比は同0.095%の105位といずれも中位。国全体への気候変動のインパクトを示すCRIの比較では70位だった。
CRIの比較で、最も大きなインパクトを受けたのは、ハリケーン被害の続いた中米ホンジュラス。死者数は年平均302人(14位)、10万人当たり同4.3人(2位)に上り、損害額同5億6100万ドル(31位)、対GDP比同1.97%(12位)と国内経済への打撃も甚大だった。
2〜10位はハイチ、ミャンマー、ニカラグア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、ベトナム、タイ、ドミニカ共和国の順で、アジアから6カ国が入った。
他の東南アジア域内国は、カンボジア15位、ラオス90位、マレーシア113位、ブルネイ176位、シンガポール181位。日本は93位だった。
一方、16年単年のインドネシアの被害は、死者196人で184カ国・地域中8位。被害額は8億7100万ドルで同25位。CRIの比較では37位だった。
16年のCRI比較では、大型ハリケーンが10月に直撃したハイチが1位。2位以下はジンバブエ、フィジー、スリランカ、ベトナム、インド、台湾、マケドニア、ボリビア、米国。日本は54位。(上村夏美)