臨床検査事業に参入 豊田通商 製薬最大手と合弁設立

 豊田通商は18日、臨床検査などの保健科学研究所(本社・横浜市保土ヶ谷区)と製薬最大手カルベ・ファルマとの合弁で、受託臨床検査事業を行う企業イノラボ・サインズ・インターナショナルが本格的に事業を開始したと発表した。

 北ジャカルタ区スンタルに臨床検査センターを置く。医療機関の依頼を受けて、血液検査など一般検査だけでなく、コンパニオン診断(患者ごとのタイプを調べ、適切な治療薬を選択するための検査)や白血病などの診断、原因を分析する病理検査を実施する。これらの詳細な検査については国内で対応できず、検体をシンガポールやオーストラリアに輸送して行う場合もあり、時間がかかっているという。
 臨床検査センターではITを駆使したシステムや検査フローを取り入れるとともに、保健科学研究所の検査技術を活用し現状では未実施の検査項目を導入。検体の搬送体制なども確立し最先端のサービスの医療機関への浸透を図る。
 現状はカルベ・ファルマグループの企業が手がけてきた一般検査を使用してきた、病院・研究機関など300件の顧客を持つ。5年後には国内の約半数に当たる1200まで増やすことを目指す。
 保健科学研究所の久川芳三社長は「人口が減少する日本国内での事業環境が厳しくなっていくことから、海外進出の機会を模索していた」と進出の意義を説明。「インドネシアは人口も多く、国民皆保険の導入を進めており、検査の市場価格は高い」と期待する。同社はインドネシア人技術者を自社で研修させるなどの取り組みを進めていく方針だ。
 取引先を増加させていく中で、今後地方に拠点を作ることも検討している。事業を推進する豊田通商の松下剛常務は「インドではすでに病院事業を進めている。インドネシアで成功すればインドでの検体ビジネス実施も考えられる」と展望を話した。(平野慧、写真も)

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