社内結婚禁止規定は違憲 労働権などを侵害 憲法裁判決

 社内結婚禁止を認める労働法の例外規定が憲法の定める労働権などを侵害しているとして、国営電力PLNの職員ら8人が同規定の違憲審査を請求した裁判で、憲法裁判所は14日、原告側の主張を認め、同規定を無効化する判決を言い渡した。コンパスコムなどが報じた。
 争点となった労働法条項は153条1号f項。社内結婚や血縁者が社内にいることを理由にした解雇を原則禁じる。一方で「労働協約や就業規則で定められている場合は例外」と定め、PLNはこの例外規定を根拠に社内結婚を事実上禁じてきた。
 同例外規定について、憲法裁判決は、「婚姻は運命的なものであって(人為的に)計画、阻害されてはならない」、「労働者の立場を弱くし、労使間の適正な均衡関係を崩している」などと指摘。婚姻を通じて家族を形成する権利や公正で適切な労働権について定めた憲法条項に反すると判断した。 
 これまでの口頭弁論で、インドネシア経営者協会(アピンド)側は、「夫婦が同じ会社で働いている場合、プロフェッショナルかつ公正な労働環境の維持を阻害する。社内決定の過程で利害対立を生む恐れもある」と例外規定の有効性を強調したが、憲法裁判決は「憲法の保障する権利を制限する根拠にはなり得ない」と退けた。
 原告側によると、例外規定で解雇、または退職を強いられたPLN職員は少なくとも約300人に上る。社内結婚を予定し、憲法裁の違憲認定を待つ社員も多いという。(酒井善彦)

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