モールからEC参入 ロッテ サリムと合弁、1億ドル投資

 韓国ロッテ・グループは10日、インドネシアの電子商取引(EC)に参入した。財閥サリム・グループと合弁インド・ロッテ・マクムルを設立し、通販サイト「アイロッテ」をオープン。小売りのロッテマートの商品などを販売する。初期投資額は1億ドル。

 アイロッテ(www.ilotte.com)のコンセプトは「モール・イン・モール」。トップページではカウントダウン式の時間限定セールを展開。購入から3時間以内の発送▽ブランド正規品の販売▽インドネシア語と英語の2カ国語対応▽Kポップや化粧品など韓国製品の充実——などをアピールし、他のECサイトとの差別化を図る。初期投資額は1億ドルでロッテとサリムで半分ずつ。
 サリム・グループが全国で1万4千店を展開するコンビニ「インドマレット」の流通網を活用する。インドマレットでの代金支払い、商品の受け取りが可能で、アイロッテ利用者が支払いのついでに買い物をするなどの相乗効果も見込む。
 インド・ロッテのフィリップ・リー最高経営責任者(CEO)によると、今後の電子マネー導入を見据えて現在、手続きを進めているという。
 ITアウトソーシング大手のトランスコスモス(本社・東京都渋谷区)とサリムグループの合弁がコールセンター、デジタルマーケティングなどの業務を請け負う。
 ロッテ・グループは成長が加速する新興国での事業を拡大してきた。ロッテ・ショッピングは2008年からスーパーマーケットのロッテマートを展開。13年には、ロッテ百貨店が高級ショッピングモール「ロッテ・ショッピング・アベニュー」を開業した。
 現在、ロッテ免税店2店、ロッテマート42店、ロッテリア30店、エンジェルインアスコーヒー3店などを展開する。アイロッテは、ロッテ・グループの小売りを統括するオンラインブランドとして位置付ける。

■8割が衣類購入

 インドネシア政府は20年に東南アジア最大のデジタル経済の中心地となることを目指し、1300億ドル規模の取引額を見込む。インドネシア・インターネットサービス業者協会(APJII)の調べで、ネット利用者はことし1億3200万人に達するとみられ、このうちECサイトを訪れる人は全体の62%に上る。オンラインで購入する商品は78%が衣類、46%が携帯電話などが占めている。
 ECへの新規参入も相次ぐ。大手不動産アグン・ポドモロ・ランドはこのほど、ジャカルタ特別州内で展開するショッピングモールのEC版を開設すると発表。電気街グロドックやスネンなどで、個人経営の店舗が多数入居するモールのテナントを集めたサイトをつくる予定だ。(坂田優菜、写真も)

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