「英語学位」に熱視線 ダブルディグリーも 日本留学フェア2都市で5000人

 日本留学を志すインドネシア人学生向けの第24回日本留学フェアが7日に東ジャワ州スラバヤ、8日にジャカルタであり、大学や専門学校、日本語学校がコースや奨学金制度などを紹介した。親子連れの姿も目立ち、2都市で計4951人が来場。大学留学を目指す学生の間では英語で学位が取れるプログラムの需要が高く、拡充を求める声も聞かれた。

 日本学生支援機構(JASSO)が主催。スラバヤのスクエア・ボールルームに49機関、ジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)に79機関がブースを構えた。
 立教大学(東京都豊島区)はインドネシア人学生を呼び込もうと昨年秋、大学院経営学研究科で新たな英語学位プログラムを始めた。自国の大学と立教大の2大学で1年間ずつ学ぶことで、修了時に両方の大学の学位が取れる「ダブルディグリー」プログラムだ。現在の協定校はインドネシア大学(西ジャワ州デポック市)とパジャジャラン大学(同州バンドン市)の2大学で、9月には両大学から計9人が入学した。このほかにパジャジャラン大からはことし、アンクルン(竹楽器)の演奏披露や研修目的などで計約100人が立教大を訪れており、同大・国際化推進機構の上原裕輔さんは「プログラムをきっかけに、大学間交流も広がっている」と話す。
 大学院では充実してきた英語学位プログラムだが、学部レベルではまだ限定的。ジャカルタ会場に両親と来場したインターナショナルスクールの卒業生、ウィリアム・ルビアントロさん(18)は「大学入学前に1年間日本語を勉強しないといけないというのがネック。学部の授業と並行して日本語を学べるところを探している」と話す。
 高校2年のアマンダ・ナビラ・カンガルタ・プトリさん(16)も「日本の大学に入るには、日本語学校に通わないといけない。英語圏の米国や英国への留学も考える」と口をそろえる。
 一方、これまで日本の大学に進学する前段階として通う学生が多かった日本語学校の役割も多様化してきた。I・C・NAGOYA日本語学校(名古屋市)の鈴木貴之副校長は「各国の日本語教育の水準が上がってきた。すでに(自国で)大学を卒業していて日本語もある程度でき、そのうえで日本就職を目指す学生も増えてきている」と話す。
 そこで同校では3年ほど前に実用的なビジネス日本語を学ぶ上級クラスを新設。さらに昨年から進路指導室を設け、進学サポートだけでなく、製造業が盛んな都市ならではのネットワークを生かした就職支援も始めた。現在は卒業生の9割以上が進学しているが、鈴木さんは「人手不足で人材を求める地元企業も多い」と話し、日本就職を念頭にした学生向けの支援を今後も充実させる考えだ。(木村綾、写真も)

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