法律擁護協会前で衝突 警官5人負傷 共産党敵視の22人拘束

 インドネシア共産党(PKI)を敵視するグループのメンバーら約200人が17日午後9時ごろ、中央ジャカルタ区メンテンにある人権団体、法律擁護協会財団(YLBHI)事務所前に集結し、警備中の警官隊と衝突した。混乱は18日未明まで約5時間続き、投石などで警官5人が負傷。公務執行妨害などの疑いで22人が拘束された。地元メディアが報じた。
 グループのメンバーらは、YLBHIで開催予定だった討論会などに抗議するため、事務所前に押し掛けた。
 討論会は、1965年9月に共産党系将校の率いる反乱部隊が国軍幹部6人を拉致・殺害、クーデターを謀った9.30事件に関連したイベント。メンバーらは「インドネシア共産党を粉砕してやる」などと叫びながら、同事務所周辺を警備中の警官隊と衝突。警官らは、催涙弾や威嚇射撃で対抗した。
 衝突の原因になった討論会だが、実際は警察の事前要請で中止されており、17日はアートパフォーマンスや展示会、詩の朗読などがYLBHI事務所で開かれていた。
 YLBHI関係者は「騒動や混乱を起こしたいイスラム過激派や政党が(共産党関連のイベントが開かれているという)デマを組織的に拡散させたのではないか」と話している。
 9.30事件をめぐっては、事件を契機に陸軍を掌握したスハルト少将=第2代大統領=が共産党員らの弾圧、掃討に乗り出し、50万人以上が虐殺の犠牲になったとされる。(上村夏美)

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