「勇み足」で急きょ延期 日本野球機構の指導者派イ

 インドネシアの野球代表チームの若手育成を目的に、8月から実施予定だった日本野球機構(NPB)の指導者派遣プログラムが急きょ延期された。インドネシア・アマチュア野球ソフトボール連盟の派遣要請に「勇み足」があり、青年スポーツ省の承認も得ていなかったため。
 代表チームの野中寿人総監督によると、派遣を要請する書面は、同連盟会長の部下が同総監督に相談しないまま作成した。7月初旬、在インドネシア日本大使館を通じてスポーツ庁に送付され、同庁がNPBに派遣要請を伝えた。
 NPB側は、元プロ野球選手の指導者を8月に派遣すべく、日程調整に着手。その一方で、野中総監督に「本当に(同連盟の)会長も承認しているのか、(派遣要請時期が)要領を得ない」と連絡したことから、同総監督にとって寝耳に水の派遣要請が発覚した。
 肝心の代表チームが編成されるのは2018年に入ってからだが、会長の部下はこれを書面に盛り込まずに派遣要請を出した。8月段階で代表チームはまだ存在せず、指導対象不在の状態で日本人指導者が派遣されるところだった。
 派遣プログラム延期の経緯、事情を説明するため、野中総監督は21日、同大使館で石井正文駐インドネシア日本大使と面談。指導者派遣要請に関する同連盟の正式書面をあらためて提出する意向を伝えるとともに、日イ省庁間の関係修復を含めた橋渡し役として支援してほしいと要請した。これに対し石井大使は「日本人がインドネシア代表のために汗をかいていただいているのは非常に貴重なこと」と支援を快諾した。
 野中総監督によると、8月の指導者派遣は延期されたが、これとは別に9月にNPBからピッチングコーチを招く予定。NPBからは今後10年間の支援について了承を得ており、覚書の締結の前段階にあると説明した。
 野球インドネシア代表は、大会参加に必要な費用や野球用具などの寄付を募集している。問い合わせは野中総監督(携帯0812・3612・3666、メールnonaka.66@gmail.com)まで。(中島昭浩、写真も)

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