サイバー庁を設置 大統領直轄 ネット攻撃のとりで

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領はこのほど、大統領直轄の国家サイバー暗号庁(BSSN)を設置した。これまでインターネットやIT(情報通信技術)に関する犯罪への対策を講じてきた国家暗号院や通信情報省の部署などを4カ月以内に統合し、サイバー攻撃に対するとりでにする。

 サイバー庁は政治・法務・治安調整相が統括する。身元確認・検知、保護、復旧対策、監視管制の四つの部署を設置。暗号院と通信情報省のアプリケーション情報管理総局と情報セキュリティー総局、警察や軍の情報通信対策部門から職員を集める。
 ルディアンタラ通信情報相は「すでに機能は稼働し、サイバー犯罪の芽を検知し、防止するための対策を始めた。サイバーセキュリティーに関する修復作業も行う」と強調した。
 大統領は5月19日付でサイバー庁発足に関する大統領令(2017年53号)を発令。同庁設置は2013年ごろから構想され、15年から設置に向けた協議が始まった。
 通信情報省によると、インドネシアは1千万件以上の個人情報に被害があったサイバー攻撃は14年に11件、15年に13件、16年に15件と増加傾向にあり、サイバー攻撃の標的にされる可能性がある10カ国のうちの1カ国に数えられる。
 米セキュリティーソフト大手シマンテックのアジア太平洋担当者は、5日付日刊紙コンパスで「原因はインターネット利用者の増加」と指摘。国内の利用者は8200万人だった14年から16年には1億3270万人に達した。
 プルバナス大学のリカルドゥス・エコ・コンピューター学科教授は「サイバー攻撃の標的は個人も含まれるため、インターネット利用者の増加に合わせてその脅威も増える。情報セキュリティーがすでに強固な仕組みになっていれば、利用者増加に比例することはない」とサイバー庁設置に期待を示した。(中島昭浩)

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