映画ビマ、来月4日公開 シネコン大手3社で上映 観客動員数目標は100万人
日本とインドネシアの合作で2013年に誕生した特撮ヒーロー「ビマ」の初映画化作品「サトリア・ヒーローズ・ビマX・リベンジ・オブ・ダークネス」が5月4日から公開される。全国の大手シネコンチェーン3社の100スクリーン以上で上映される。
監督は平成仮面ライダーシリーズなどを手掛けてきた舞原賢三さん。エグゼクティブ・プロデューサーを務めるレイノ・バラックさんは、27日に開かれたプレミア試写会の記者会見で、観客動員数目標を「1日平均3万人、計100万人」とした。
ビマは仮面ライダーシリーズを手掛けてきた石森プロと国内最大のメディアグループ「MNC(メディア・チトラ・ヌサンタラ)」が共同制作した、インドネシア発のスーパーヒーロー。
13年6月〜15年8月に放映されたテレビシリーズ全78話の平均視聴率は約2・1%。国民的人気を誇るアニメ「ドラえもん」の同2・4%に迫る人気を獲得した。
ビマ発案者でMNC役員でもあるレイノさんによると、映画のメーンターゲットは15歳までの子ども。今後はビマと一緒に各地の学校や児童養護施設や病院などを回って一緒に映画を見るなど「ヒーローならではのプロモーションを展開していきたい」と語った。
「最大の敵」(舞原監督)というテレビシリーズを超える作品にするため、映画を約30分ごとの3章構成にし、子どもの集中が切れないように工夫した。第1章は日本文化に触れアクションがある子ども向けで、続く第2章はラブストーリーで大人も楽しめる内容。最後の第3章はパニックで大騒ぎのクライマックスを迎える。
13年のビマ誕生時からプロデュースに携わる石森プロの園田大策専務取締役は会見で「インドネシア人の創造性と日本人のノウハウが一緒になったインドネシアのオリジナル映画作品。日本での撮影や昔のインドネシア、ヒーローの祖先の時代などを取り入れ、映画に必要な特別感を出した」と強調した。
映画は全編インドネシア語。全国のシネマ21とCGVブリッツ、シネマックスで上映される。海外配信は未定。(中島昭浩、写真も)
最初の敵は戦友
5月4日に封切りされる日イ合作映画「サトリア・ヒーローズ・ビマX・リベンジ・オブ・ダークネス」のあらすじは以下の通り。
激しく火花を散らし闘うレイ(ビマX)とディマス(トルガ)の戦闘シーンから物語は始まる。テレビシリーズでは共にブドー帝国との戦いを終結させた戦友同士。2人の間に一体何が?
地球に残り、平和を守っている戦友のディマスは、取引先との商談で日本に訪れる。元NMB48メンバーでタレントの高野結衣さん演じる社長秘書のサエコと日本文化を満喫していると、謎の忍者に取り囲まれ、新たな敵マヌーンに心を操られてしまい……。
マヌーンは不思議な光で邪悪な心を呼び起こす。マヌーンに記憶をのぞかれたブドー帝国の宿敵アイアンマンは、3千年前に当時の正義のヒーローで師匠のマスタートルガの元で修行に励む少年時代(当時はウィラ)を思い出す。師匠の危機に自分の力を過信したウィラは、大切な人を亡くして暗黒の世界をさまよい始めた。
憎しみで力を増し最強の敵オサイリスとなったアイアンマンが、ビマXと正気を取り戻したトルガの前に立ちはだかる。
絶体絶命の危機に、ブドー帝国から正義の心を取り戻したあの男が姿を現し、映画はクライマックスを迎える。