現知事の抑止力に陰り 落選確実の知事選結果受け

 ジャカルタ特別州政府が2016年2月に置屋街を取り壊して跡地を整備、ことし2月に正式オープンさせたカリジョド公園。アホック州政を象徴する存在だった同公園に、かつて置屋街を仕切ったプレマン(マフィア)が戻ってきたとの報道が出ている。

 カリジョドはオランダ植民地時代に始まった置屋街で、ジャカルタ最後の赤線地帯として知られてきた。プレマンの縄張りで、地元当局と癒着、摘発を免れてきた。しかし、16年2月、カリジョドのカフェでビールを飲んだ20代の男性が4人を死なせる交通事故を起こし、これを契機にアホック知事が緑化計画の名の下に置屋街撤去を断行した。
 アホック知事は再選を目指して州知事選に立候補したが、4月19日の決選投票でアニス・バスウェダン前教育文化相とサンディアガ・ウノ氏のペアに敗れた。任期は10月まで残っているが、すでに同知事の「対マフィア抑止力」が弱まってきたことを感じさせる報道内容だ。
 プレマン復活報道を受け、当のアホック知事は25日、地元メディアの取材に「(プレマンは)私がすぐにいなくなり、何もできないと思っているようだが、(任期が満了する)10月7日までの約5カ月間はまだ知事のままだ。すでに警察に対処するよう求めた」と強調した。
 一方、新副知事となる実業家のサンディアガ氏は同日、「(自身の公約の)起業家支援センターで警備員になる訓練をすれば、プレマンも就職できる」と語った。
 プレマンに関する地元メディアの報道は、「公園近くの5カ所にあった駐車場の料金メーターがなくなり、プレマンが駐車場を仕切り始めた」との内容。プレマンらが徴収する駐車料金は、正規額の倍以上に当たる車1台1万ルピア、オートバイ5千ルピアといい、「公園の訪問者らから不満が出ている」と問題を提起した。
 特別州運輸局が確認したところ、メーターはなくなっていなかったが、利用方法の説明が不十分でほとんど活用されていないことが判明。
 しかし、公園内での駐車や露店営業など違法行為が横行しているのは事実。プレマンが仕切っているとみた同局は、駐車料金など規律を順守させるため、4月中に公園出入り口にゲートを設置し、出入りを管理すると発表した。(中島昭浩)

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