「共に働く」関係を 縁のある国、好きな国 石井正文大使

 今月10日に着任した石井正文駐インドネシア大使は21日、日本大使館でじゃかるた新聞のインタビューに応じ、「前に訪問した時より、政治的、経済的にとても発展していて驚いた」と印象を語った。石井大使はジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権の「働く内閣」に注目し、日本とインドネシアが「共に働く」関係を作るよう努力する、と決意を示した。                                       
 石井大使はインドネシアへの赴任は初めて。「でも、不思議な縁がある」と切り出した。陸軍にいた父は終戦をスラバヤで迎えたといい、1990年ごろに両親とスラバヤを訪れたという。「これが初めてのインドネシアだった」と話す。その後、99年にインドネシアを担当する南東アジア第二課長になると、「毎月1回はインドネシアを訪問していた」という。「当時は東ティモールの独立宣言が出た後で、インドネシアは民主主義のプロセスが始まり、バタバタしていた」と振り返る。
 2011年3月に起きた東日本大震災の3日後、北スラウェシ州マナドで開かれた災害救難訓練に参加する。「その時のテーマは『大地震と大津波』。インドネシアと日本は同じような問題に直面しているので、助け合えることはたくさんあると改めて感じた。これも縁でしょう。インドネシアは大好きだし、この国で働けるということはラッキーで、本当にありがたい」と話す。
 インドネシアの現状について石井大使は「政治的にも経済的にも非常に良い方向に向かっている。政治的には安定しているし、ジャカルタ特別州知事選を見ても、民主主義が定着している感じがする」と分析。また「経済はスローダウンしていると言っても成長率が5%台というのは日本からすればすごいこと。ただ、ジャカルタの渋滞だけは以前よりひどくなっている」と苦笑する。
 現在工事が進む大量高速鉄道(MRT)について、「ジャカルタに地下鉄がないというのは考えてみれば不思議なこと。人口規模の小さいインドのデリーにも地下鉄網がある。地下鉄の存在は人々の生活革命につながる。現在の工事も早めにうまく動き出すよう進めたい」と話した。
 石井大使は広島県東広島市の出身。おじといとこが広島市で被爆している。ゴルフは一度もやったことがないが、「妻(60)と一緒に週末にレッスンを始める」予定という。(田嶌徳弘)

◇いしい・まさふみ 東大法学部卒。80年、外務省入り。06年駐米公使、13年国際法局長などを経て、14年7月から駐ベルギー大使。59歳。広島県出身。

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