海洋振興でがっちり握手 スシ海洋水産相と山本農相 日本に協力求める

 日本を訪問中のスシ・プジアストゥティ海洋水産相は14日、山本有二・農林水産相と会談、海洋先進国である日本に水産業の振興、発展で強く協力を求めた。山本農水相は積極的に対応したいと応じ、今後両国は海洋協力推進の具体策の検討に入ることになった。ことし1月のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と安倍晋三首相の首脳会談で協議した海洋協力推進の具体策の第一歩である。

 スシ海洋水産相は会談後記者団に「インドネシアは(独立後の)このかた70年間、農業にだけ目を向けていたが、ジョコウィ政権で初めて海洋立国政策を打ち出し国家であることを意識した国づくりを始めた。海洋先進国の日本と手を結ぶことは時宜にかなっている」と日本との協力強化に期待を表明した。
 同相は10日に国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長と会談したのを皮切りに、4日間にわたって二階俊博自民党幹事長(日本インドネシア友好議員連盟会長)、福田康夫日本インドネシア協会会長(元首相)、稲田朋美防衛相、中島敏海上保安庁長官ら海洋に関する政府首脳と精力的に会談、さまざまな提案要請も行った。
 例えば港湾整備計画では2019年までに着手する24カ所の港湾整備計画について、日本にはサバン(アチェ州)、モロタイ(マルク州)、ナトゥナ(リアウ諸島州)など計6カ所の協力を要請した。いずれも国の戦略的要衝に位置する重要地域とされている。

■水産現場・施設も見学

 一方、同相一行は手分けして関東近郊の漁業関連企業・施設を精力的に訪問した。東京の築地市場や神奈川県三浦市の三崎漁港を訪れ、マグロなどの産地直売の実態を視察した。また液化天然ガス(LNG)を動力源にした魚類の冷蔵倉庫を保有する日本超低温(横浜市)、最先端の食品凍結技術を持つアビー(千葉県流山市)ら水産関連企業を訪れ、実際の技術水準を確認したほか、海洋監視高性能レーダーの調達を視野に大手通信機器メーカーの日本無線(東京都中野区)を訪問するなど精力的に日本の最先端の水産関連企業、施設を視察した。

■イ船員の待遇改善を

 また、同相は日本で働くインドネシア人船員の待遇改善も求めた。日本かつお・まぐろ漁業協同組合の山下潤組合長との会合で「船員の酷使はないよう」要請した。インドネシア・現地メディアはこの問題にも強い関心を示した。一連の日程を終えたスシ海洋水産相は「訪問結果を今後の水産政策行政に生かしたい」と述べた。(斉藤麻侑子、写真も)

日本在住イ人も熱狂

 東京都内で12日夜開かれたスシ海洋水産相と日本在住インドネシア人たちとの懇談会には、日本への留学生、政府機関、民間企業駐在員と家族ら、当初見込みの倍以上の350人余りが出席、同相の国民的人気の高さを改めて示した。こうした集まりは国務大臣クラスでは極めて異例だ。
 懇談会には希望が殺到し、大使館が予定した館内施設では狭すぎるため会場を急きょ目黒区にあるインドネシア人学校(バライ・インドネシア)の体育館に変更した。開始は予定より1時間半遅れ、午後7時半になったものの、折りたたみ椅子で同相の到着を待つ参加者は増えるばかり。
 独特のコスチュームで中央壇上に座ったスシさんは、マイク片手に「国民の規律が高い」日本への賛辞から、外国違法操業船の爆破をはじめとする自らの海洋水産政策の成果、海洋立国インドネシア実現のための今後の課題など1時間余りにわたって参加者に熱っぽく語りかけた。
 続く質疑応答では参加者から出た質問を3人ごとに区切り、ユーモアや分かりやすい例を交えながら1時間あまりにわたり丹念に答えていた。それでも興味深い内容に20人以上が挙手を続けていた。せっかく日本にいるのだからその経験を自国に帰って生かしてほしい、とも語りかけていた。
 海洋水産相に起用された経緯を問われると「選挙運動中、ジョコウィ大統領が自ら経営するへき地専門航空会社をよく使ってもらったお礼に行ったら話が水産にも及び、それが大統領に気に入られたらしい」とのエピソードも明らかにした。
 その後のフォト・セッションでも参加者のほぼ全員が同相を取り囲み、参加者からの割れんばかりの拍手の中でもみくちゃにされながら同相は退場した。(斉藤麻侑子)

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